全国で相次ぐ“ヤミ民泊”トラブル――売春、薬物取引等、違法行為の拠点にも!?
先日、兵庫県三田市の女性会社員(27)が行方不明になっていた事件で、米国籍の男性が監禁の容疑で逮捕された。一連の報道によると、容疑者は民泊施設を拠点に活動していた可能性があるという。大阪市東成区のマンションに、ほかにも4~5人の女性を連れ込んでいた。今回の事件が起きた部屋は民泊で使用されていたが、市は認可しておらず、ヤミ民泊の疑いが強まっている……。
こうしたヤミ民泊は宿泊者の身元確認などもずさんで、いま全国でトラブルが相次いでいるという。マンションの所有者や住人からは、困惑の声が多数あがる。
「もういい加減にしてくれと。毎日毎日、変な外人が来るわ、この前はヤク中(薬物中毒者)みたいなのが廊下に倒れていたし……。治安は悪化するし、不動産価値だって下がっちゃう一方じゃないか!」
こう訴えるのは、東京都港区某所のマンションに暮らす豊岡さん(仮名・50代)だ。豊岡さんの暮らすマンションは、六本木ヒルズやアークヒルズ、ミッドタウンにも近い一等地に立地しているが、大規模補修もされないままに築数十年を超えており、かなり古めかしい印象。これだけの立地でも、不動産価格は下がる一方であり、居住者は独居者や老人が目立ち、売りに出される部屋も少なくなかった。
そんななか、2年ほど前に「空室がいっきに買い上げられた」と住人の間で話題になった。マンション組合幹部は、豊岡さんに「とある不動産会社が部屋を買い上げ、リフォームをしたうえで販売するらしい」と説明。新たな若い住人が増え、マンションに活気が戻るかもしれない、などと喜んだ。しかしその後も、リフォーム工事をしているような様子は一切見受けられないばかりか、大荷物を持った若者や外国人たちがチラホラと出入りするようになった。その顔ぶれが毎日違う、という摩訶不思議なことが起こるようになったという。
「マンション幹部は騙された、と頭を抱えていた。業者が“民泊”用に安くて古い部屋を買い上げていたようです。組合は慌てて“民泊利用禁止”と通達したが、部屋の所有者である業者はお構いなし。外国人旅行者がトラブルを起こしたり、警察までくるような事件も起きているんです。数世帯は『こんなマンションには住めない』と逃げるように出ていったし、まさに“民泊”に飲み込まれようとしていますよ」
相次ぐ民泊トラブル…違法行為の拠点にも!?
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新聞、週刊誌、実話誌、テレビなどで経験を積んだ記者。社会問題やニュースの裏側などをネットメディアに寄稿する。
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