更新日:2020年03月06日 20:48
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地方の国立大が「カネなし・人気なし」の大ピンチ。定員割れ寸前の大学も

国立大のすべり止めだった私大に学生が流れ…

 一方、別の地方国立大で教授を務める村岡信博さん(仮名・53歳)からはこんな話も。 「まだ募集定員は減らされていないので大学生の数はほぼ横ばいですが、院生や若手研究者の数は減っています。この調子だと大学生の数が減るのも時間の問題。地元の進学校で教師をしている教え子に『生徒にウチの大学を勧めてくれ』と頼むのですが、『私の時代には滑り止めだった私大を第1志望にする生徒が増え、昔ほど人気がないんです……』と言われてしまって。教授会でも生徒集めについて話し合うことは多いのですが、意見を出しても国立ゆえになかなか反映されないんです」  それに大学を変えようにも予算という大きな問題もある。 「体質的な問題だけでなく、カネもないのが現在の地方国公立大。大学を改革するアイデアは出ても経費の都合で却下される場合が多いんです」(山田さん)  とはいえ、このままの状況が続くと、存続すら危うくなるだろう。 「もっと自ら魅力をアピールしていかないと、今後生き残っていくのは厳しいでしょうね」(大学研究家の山内太地氏)  受験生にとっては、地方国公立大が入りやすくなるのは歓迎すべきことなのかもしれないが……。 <学生募集に悩む国立大学の実質競争率> ・北見工業大学工学部地球環境工学科(前期)1.1倍 ・山梨大学医学部看護学科(前期)1.2倍 ・山口大学農学部(前期)1.4倍 ・長崎大学経済学部(前期)1.6倍 ※大学通信調べ <取材・文・調査/加藤純平(ミドルマン) 金子修平 高島昌俊 ツマミ具依 古澤誠一郎> ― オッサンが知らない[人気大学]2018 ―
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