地方の定員割れ私大で“公立化”がブーム。偏差値20爆上げの大学も
「全入時代」を迎えた大学市場だが、現在大きな変化が起きている。大学が狭き門だった時代に受験をした中高年には、思いもよらなかった大学が人気を博しているらしい。団塊世代の知らない最新の人気大学勢力図やいかに!?
最近の大学業界でひとつの大きな流れとなっているのが地方私大の公立化。’09年の高知工科大をはじめ、これまで10大学が公立大へと生まれ変わっている。
「急速に進む地方の少子化に加え、経済格差で私大に進学できない学生が増えたこと、大都市圏の私大に進学する傾向が強くなり、今まで以上に学生の募集に苦労するようになっている」ことが背景にあると解説するのは大学通信常務取締役の安田賢治氏。
その起死回生の一手が公立化だったわけだが、地元に与えた影響は想像以上に大きかったようだ。
「人気がなかったのに公立化した途端、県下トップクラスの大学へ変貌したケースもある」と大学研究家の山内太地氏。
昨年4月に公立大となり、偏差値が20近く爆上げした長野大の学生は、「就活でウケがいいと聞いています」(3年男子)と歓迎ムード。
公立化した私大を学費面から第一に志望する人も増え、福知山公立大のように、前年と比べて倍率が21.9倍と激増した例も。ただし、気になるのは自治体の負担。
「実は、公立大には国から十分な交付金が下りているので自治体の負担はそこまで大きくありません。そもそも地方にとって若者が集まる大学は、地域活性化の面でも大きな存在。自治体側の思惑があるにせよ、公立大が地方に増えることは、学生や親にとっては歓迎すべきことだと思います」(大学ジャーナリストの石渡嶺司氏)
<2009年以降公立化した私立大学>
・高知工科大学(高知県)
・静岡文化芸術大学(静岡県)
・名桜大学(沖縄県)
・公立鳥取環境大学(鳥取県)
・長岡造形大学(新潟県)
・福知山公立大学(京都府)
・山陽小野田市立山口東京理科大学(山口県)
・長野大学(長野県)
・公立諏訪東京理科大学(長野県)
・公立小松大学(石川県)
― オッサンが知らない[人気大学]2018 ―
地方の定員割れ私大が公立化で偏差値爆上げ!
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