受験生には人気の“カタカナ学部”。OBや在校生から後悔の声も…
「全入時代」を迎えた大学市場だが、現在大きな変化が起きている。大学が狭き門だった時代に受験をした中高年には、思いもよらなかった大学が人気を博しているらしい。団塊世代の知らない最新の人気大学勢力図やいかに!?
受験生獲得のため、何を勉強しているのかわからない“カタカナ学部”が2000年半ばに続々と誕生。名門大学にまで当たり前のように存在するようになった。卒業生は自分の学部をどう思っているのか。法政大学キャリアデザイン学部を卒業した山川結衣さん(仮名・26歳)に聞いた。
「『大学では何を勉強したの?』という話題が苦手です。自分の学部名を言っても、『で、結局何したの?』と突っ込まれるので、ネタにするしかないんです」
学部に在学中も肩身の狭い思いをしていたと続ける。
「単位が取りやすいのと、学部名から真面目な人が集まりにくいのか、チャラい人が多く、学内のヒエラルキーはいつも最下位でした」
そもそもなぜカタカナ学部を選んだのか?
「『これが学びたい』っていう明確な目標が見つからなくて……。複合的に学べるというのがウリだったので、ちょうどいいと思ってこの学部を選びました。でも広く浅く学んだだけで何を学んだのかわからないまま卒業してしまいました。今ではもっと真剣に学部選びをしておけばと後悔しています」
では、現役大学生はカタカナ学部についてどう思っているのか?
「日本語でうまく特色を表現できないならカタカナを使うことが悪いとは思わないけど、カッコイイと思ってつけているならダサいです。自己紹介時によく知らない人にはバカにされそうだし、いわゆるFランっぽさがあると思います」(早稲田大学文学部1年・女性)
しかし、そんな現実とは裏腹に、受験生からは人気の高いカタカナ学部が多いという。入試倍率は平均以上の学部が多く、法政大学のキャリアデザイン学部は文学部よりも1.5倍も倍率が高い。東洋大学のライフデザイン学部は同大学内の中でもトップの偏差値だ。カタカナ学部が増えるとともに、なんとなく入学して後悔する卒業生も増えていくのかもしれない。
<増加中の各大学のカタカナ学部>(創設年)
・法政大学の「キャリアデザイン学部」(2003年)
・明海大学の「ホスピタリティ・ツーリズム学部」(2005年)
・東洋大学の「ライフデザイン学部」(2005年)
・駒沢大学の「グローバル・メディア・スタディーズ学部」(2006年)
・立教大学の「異文化コミュニケーション学部」(2008年)
― オッサンが知らない[人気大学]2018 ―
OBや在校生は、不満でも依然人気のカタカナ学部
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