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アブドーラ・ザ・ブッチャー “ブッチャー”はニッポンのロングセラー商品――フミ斎藤のプロレス講座別冊レジェンド100<第39話>

 70歳を過ぎてもそれほどトシをとったようなイメージはなく、凶器攻撃と場外乱闘の“芸風”もほとんど変わっていない。  もともと華麗なテクニックを披露したりリング上を縦横無尽に動きまわったりするようなタイプのレスラーではなかったから、アスリートとしての老化現象とは無縁だった。  ジャイアント馬場の宿命のライバルであり、シークとのコンビではドリー&テリーのザ・ファンクスとプロレス史に残る死闘をくり広げた。  1981年(昭和56年)には新日本プロレスに電撃移籍してアントニオ猪木に“挑戦状”をたたきつけたが、1987年に古巣・全日本プロレスにUターンした。  “馬場的世界観”か“猪木的価値観”かといえば、より馬場的な世界観のプロレスラーということになるのだろう。  1990年代以降は、日本ではいくつものインディー団体を渡り歩き、アメリカではWWEホール・オブ・フェームで殿堂入りを果たした(2011年)。 ●PROFILE:アブドーラ・ザ・ブッチャーAbdullah The Butcher 1936年11月2日、カナダ・オンタリオ州ウィンザー生まれだが、自称“スーダン出身”。本名ローレンス・シュリーブ。プロフィル上の生年月日はある時期から“1941年生まれ”に統一された。ジョージア、ダラス、フロリダ、プエルトリコでも活躍した。得意技はエルボードロップと“フォーク攻撃”。現在はジョージア州アトランタ在住。 ※文中敬称略 ※この連載は月~金で毎日更新されます 文/斎藤文彦
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