カーライフ

『この世界の片隅に』ファンならずとも一度は行くべき軍港の街・呉の魅力。カーマニア集団「MJ戦略参謀本部」伊達軍曹が往く!

 それらすべてが魅力的だったが、それと同時に人々が暮らし、買い物などをしている中心市街地も、できれば映画『この世界の片隅に』を観たうえで、のんびり散策してみることをおすすめしたい。  初回で指摘したとおり軍港のまちというのは、半農半漁のド寒村を旧日本海軍がゼロから合理的に築き上げたため、中心市街地は合理的な碁盤目状になっている。それゆえ鎮守府開庁から129年が経った今も、呉の中心部はありがちな「再開発」をする必要がなく、往時の町並みがそのまま……とまでは言わないが、そのままに近い形で残っているのだ。  それゆえ『この世界の片隅に』のファンであれば「あっ、ここはすずさんと周作がいたあの橋だ!」とか、「さすがに今はもうないけど、ここが復興マーケットの跡地か……」などと把握することができる。  そして同映画にはまるで興味ない人であっても、敗戦を直接のきっかけとする歴史と文化の巨大な断絶を越えて「それでも確かに存在していた祖父や祖母、父や母がいた頃の日本」を、フェイクな作り物ではないリアルとして感じることができるはずなのだ。  先祖までさかのぼっても広島県呉市とはいっさいの地縁・血縁がない私だが、それでも、呉への旅は「自身のルーツを探る旅」になった。だからこそ、1人でも多くの人に呉を訪ねてみてほしいと今、真剣に思っている。 【伊達軍曹】 輸入中古車ジャーナリスト。外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。「手頃なプライスの輸入中古車ってサイコーだぜ!」というのんきなトーンの原稿を各誌やウェブサイトに多数寄稿している。愛車は新車で買ったスバルXV。輸入中古車400勝
1
2
テキスト アフェリエイト
新Cxenseレコメンドウィジェット
おすすめ記事
おすすめ記事
Cxense媒体横断誘導枠
余白
Pianoアノニマスアンケート