キャバ嬢・ホステスと付き合いたい大人の作法「店カレ」とは何か?
これが銀座などの高級クラブの営業は「枕営業」要素が多少入り、具体的な取り決めをします。
「してもいいけど、どれぐらい通ってくれるの?」
「そうだなあ、月2回でどうだ?」
「少ないよ~」
「こっちは、忙しいんだよ」
「じゃ来たら、必ずシャンパンね。白(普通のお値ごろのやつ)でいいから」
「参ったな、まあ仕方ないか」
ほかお客さんは会社経営者が多いので、マンションを社員寮扱いにして家賃を無料にしたり、接待で複数連れて行くからと言って、売り上げに貢献したりと、何十万円もお金が動きます。
もちろん現金が一番いいのですが、このご時世、現金は領収書で落ちない、一番やっかいなもので、なかなか出にくいのです。逆を言えば、現金をプレゼントしてくれるお客さんが、一番モテることになりますけど。
こうやって店カレとなった場合、お互い大人の分別としてプライベートには一切干渉しないこととなっています。だから、ホステスが昔馴染みの高校の同級生とつきあったり、同棲していてもそれは構わないのです。正直に言う場合もあるし、詮索をしないという取り決めもあります。
ただ店の中で、ほかのお客さんとデキてしまったとなると、店カレのプライドが傷つきトラブルとなります。そこらへんは、ホステスの腕次第ですから、いかようにも弁解ができます。
「世の中には、知らない方が幸せ」がいっぱいあるのです。
逆に客が、同じ店で、ほかの若いホステスを気に入ったりすると、情報が漏れて、大騒ぎになります。こういう場合、ホステス側の逆上が怖いです。「新人のコから、連絡先聞いたでしょ。どういうこと?」って詰問され、新人は「泥棒猫」扱いとなります。この場合も、怒っているのは「浮気」部分じゃなくて、「売り上げ」が減ることで、面倒くさいから、とりあえず怒っておけとなります。
しっかりと「担当制」が決まっている名門の店では、ヘルプのコに連絡先を聞くと「それはできません」と、言ってくる場合があります。というわけで、店カレは店の中での彼氏であり、そこでの浮気やトラブル、刃傷沙汰を起こしてはいけないのです。
これが古き良き水商売で、ありがちな交際のお話です。
現代では、プロの水商売のコが減り、半年や1年足らずで辞めるコがいるので、店カレなんてことは起こりにくく、むしろ、店を辞めてから「外キャバ」として個人営業を行う女性が増えてきました。今流行りの「ギャラめし」「ギャラ合コン」ですよね。1回ゴハンを食べて、1万円もらうとかね。人間、何もせずとも個人的にお金をもらうと、どんどんエスカレートしていきます。そこが怖いところです。
「ゴハン食べて1万円なら、チューしたら幾ら?」
そういう話をすると、前川前事務次官に説教されますよ。店カレは出費がかさむけど、あくまで現金のやりとりはなしで、スマートに恋愛をする。それがダンディズムですって、ほんまかいな。トレンドを読み解くコラムニストとして数々のベストセラーを上梓。ゴルフやキャバクラにも通じる、大人の遊び人。現在は日本株を中心としたデイトレードにも挑戦。著書に『50歳からのかろやか人生』
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