― 木村和久の「オヤ充のススメ」その212 ―
今回は「
底辺キャバ嬢、アジアでナンバー1になる」(イーストプレス)を上梓したカワノアユミさんを迎えての対談です。こちら側は、キャバクラ評論家として「
50歳からのかろやか人生」(雷鳥社)を出しています。内容の多くはキャバクラに通う客の振る舞いです。というわけで、キャバクラ常連オヤジ客VS現役キャバ嬢の水商売談義を始めます。
エージェントからのピンハネは当たり前
キムラ:初めまして。いやあ、見た目は小柄で構ってあげたくなるタイプにびっくりですよ。本を読ませてもらいましたが、とても面白かったです。
カワノ:ありがとうございます。
キムラ:でもこんな、ちっちゃいコが、アジアのキャバクラで働けたんですか、しかもひとりで。偉いなあ。オレは絶対無理だもん。そのバイタリティに、まず感服しました。
カワノ:最初はおっかなびっくりでしたが、みんな優しいし、友達もいたので、思ったより怖くなかったです。
キムラ:どれぐらい働いていたの?
カワノ:8か月ぐらいですか。香港やシンガポール、ベトナム、カンボジアなど、ほぼ東南アジアは制覇したかな。
キムラ:というか、そんなところまでキャバクラあるんだ? 東南アジアは結構行ったけど、キャバクラと言っても、飲んだら外に「連れ出す」形式の店が多いよね。そういうところで、働いていたの?
カワノ:基本は日本人の商社マンなどが来る在留邦人向けのキャバクラなんです。だから、お客さんは日本人が多いので、安全でした。言葉の障害とかもなかったですね。
キムラ:アメリカで言うところの、ピアノバーって存在だよね。アメリカは労働ビザがないと働けないけど、アジア地区はおおむね大丈夫ってこと。
カワノ:詳しくは知りませんけど、大丈夫だったみたいですね。
キムラ:う~ん、そのアバウトさが、まさに東南アジアの雰囲気そのものですね。
カワノ:しょせんアルバイトですから。知り合いのエージェントに頼んで、日給いくらでという契約をするのですが、結構値引かれました。それを取り戻すのが大変でした。
キムラ:ガッツあるね。ピンハネを許さないんだね。それぐらいならいいけどさ、怖い目に会ったことはないの?
カワノ:どれが怖い目なのか、分からないんですけど(笑)。今のところ、無事に過ごせています。だいたい日本人が必ずそばにいるので、超ヤバイことはないです。キャバクラをむしろ、懐かしがって飲むというか。あとは、お客さんにカラオケを唄わせれば、なんとかなるかな。
キムラ:店はいいとしても、日常生活はどうだったの? アパートにひとり暮らしなんでしょ。食事とか、美味しく食べれるの?
カワノ:出されたものは、たいがい食べましたね。タイとかは美味しいですけど、とんでもなくマズい国もあって、そこは我慢して食べていました。