映画「レディ・プレイヤー1」で予測する日本の未来<コラムニスト木村和久>
―[木村和久の「オヤ充のススメ」]―
― 木村和久の「オヤ充のススメ」その211 ―
未だ公開が続いて、熱狂的に支持されている映画「レディ・プレイヤー1」は、スティーヴン・スピルバーグ監督が描く2045年の世界です。映画にはガンダムからメカゴジラなど日本のキャラクターが沢山出ていると話題になりました。
そういうキャラも大事ですが、我々が直面する近未来について映画を参考に論じ合うのが、むしろ重要だと思うんですけど。というわけで、2045年頃はどんな世界になっているかを、ジャンルごとに分けて検討してみます。
①荒廃した世界
映画では2045年の世界は環境汚染、気候変動、政治の機能不全で荒廃し、全人口の半分がスラムで暮らしています。人々は厭世的になり、「オアシス」という仮想空間に入りびたる日々という状況です。
元々はアーネスト・クラインが2011年に発表した「ゲーム・ウォーズ」という小説が原作となっています。つまり、仮想空間の話を描きたいがために、未来は荒廃にしとこう、そういう安易な設定だと思います。個人的には2045年は荒廃していない。もっと、素晴らしい未来があると信じています。
②イメージの問題
未来に対し、みんながどうイメージをするかは大事です。日本の高度成長期は「鉄腕アトム」に代表されるテクノロジー繁栄社会が描かれました。今は少子化、高齢化、GDP成長の鈍化、中国の台頭など、先細り感が漂いますが、あくまで気持ちの問題です。
数年前の民主党政権を思い出して下さい。株価は低迷し、日経平均1万円以下を彷徨っていたりしました。こうなると、日本の会社の多くが、お値頃だからと外国企業に買収されるのです。
それを救ったのが安倍首相です。日経平均株価を無理やり押し上げている批判もありますが、株価はもともと、盛っているものですから、それでいいのです。
日本は東京オリンピックまで好景気は続くという楽観論があります。その後の五輪ロスを乗り越えて、素敵な2045年を迎えましょう。少子化によって人口が1億2000万人から8000万人程度になると言われています。それで悲観する人が多いのです。ものは考えようで「ドイツになったと思えば良い」のです。それで日本はドイツの面積と人口とほぼ一緒になります。今のドイツだって光り輝いているでしょう。人口が減っても大したことはないのです。問題は減っている途中がしんどいのです。
というわけで、未来は気持ちひとつで、どうにでもなる。そこをポジティブに考えましょう。
③ドローン
映画ではドローンが進化して、人間を監視したり追跡したり、アーム型の手を持って爆弾を仕掛けたりと、大活躍します。すでに現在でも、無人戦車や無人爆撃機が存在してますから。市民生活を監視するのがドローンというのは、充分ありえます。今後ますます、無人システムは発展を遂げるでしょう。
でも気になったのが自動運転のくるまです。オアシスという仮想空間では、みんな好きなくるまを操って、レースをしています。もちろん自動化部分は、かなりあると思うのですが。けどやっぱり、運転する楽しさをどこかに残さないと。映画はそう言っているような気がします。
車の自動運転が完成するのがその頃かも知れませんが、ただ座って移動するくるまなのか、そうではない気がします。
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