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NGT48、涙と笑いの2日間…新潟単独&北原里英卒業コンサート完全ルポ

いよいよ北原里英卒業コンサート

 そして2日目。この日は、キャプテンの北原里英が2015年3月26日にAKB48からNGT48へ移籍してきてから1115日を迎える。タイトルも「北原里英卒業コンサート~夢の1115日 新潟の女になりました!~」と銘を打った。そんなアイドル・北原里英にとっての最後の大舞台は、「10年間のアイドル人生のなかで最高の一日にするぞ!」という北原の掛け声で幕を開けた。  一曲目に選んだのは「大声ダイヤモンド」。メンバーとともに元気に飛び出してきた北原がまさかの音程で歌い出し、他のメンバーが一斉にずっこける。ファンの間では“北原ダイヤモンド”として知られる名曲を披露。その後は、「言い訳Maybe」「フライングゲット」など北原がセンターを務めて、ド派手なオープニングとなった。曲終わりのMCでは、山田野絵がリハからすでに泣いていたということを周りのメンバーにバラされ「だって嫌なの! でも辞めないでとも言いたくないし。でもでも……」とまた泣きそうな表情に。これには高倉萌香も「今日は卒業コンサートだと思っていません! 泣きま……せん。ん~泣いちゃうね。嫌だ~」と、声を震わせていた。 北原里英卒業コンサート 次のパートでは、北原がAKB48に加入した10年前からAKB48での思い出を振り返った楽曲を披露した。最初のチームBで渡辺麻友のアンダーを担当していたという「パジャマドライブ」や「愛のストリッパー」の公演曲から、大島優子・横山由依・指原莉乃と組んでいるユニット・Not yetから「西瓜BABY」などを、NGT48のメンバーとともにパフォーマンス。懐かしい楽曲にファンからは、曲が変わるたびに歓声があがっていた。「西瓜BABY」を一緒に披露した太野彩香は、「NGT48に入ったら絶対にやりたかった曲だったんだけど、劇場公演の合間に初めて今回のセトリをもらって。『西瓜BABY』を見たときに嬉しくて、一人トイレで泣いた」と明かし、オリジナルメンバーの北原との共演を喜んだ。 北原里英卒業コンサート また、AKB48じゃんけん大会で組んだバンド・kissの天ぷらの楽曲が流れて、AKB48メンバーの大家志津香と宮崎美穂がサプライズ登場すると、ファンの歓声も一段とあがる。そしてAKB48の名曲「夕陽を見ているか?」のイントロと同時に、AKB48総監督・横山由依が「10年間、たくさんの優しさと愛をいただきました。朱鷺メッセでNGT48ライブがしたいと言っていた里英ちゃん。夢が叶えて、本当におめでとうございます!」とメッセージを送りながらステージ中央に。そして、柏木由紀・峯岸みなみ・向井地美音・小嶋真子・高橋朱里・中西智代梨。さらに台湾の姉妹グループ・TPE48に移籍したばかりの阿部マリアが駆け付けて、ステージを盛り上げた。そして曲が終わると、北原が「次の曲は二人で歌いたいと思います」と曲フリをすると、盟友の指原莉乃も登場。北原と指原は、AKB48の5期生という同期でここまで苦楽をともに過ごしてきたメンバーだ。指原は、「NGT48に行くときは正直どうなるかと思ったけど、こんなに愛してもらえる存在になるなんて……」と、会場に詰め掛けたファンを見渡しながら感慨深い様子だった。 北原里英卒業コンサート ほかのAKB48メンバーも北原との思い出を聞かれると、中西は「私は最初に唇が似てるなって思っていて。私だけかなと思ってたら、握手会にきたりえさんのファンの方が来て『俺めっちゃ唇フェチで、きたりえの唇しか愛せないんだけど、もう一人……見つけた』って言われたんですよ(笑)。なので、里英さんにはとても感謝しております!」と話すと、小嶋も「横山チームKで初めて一緒のチームになったんですけど、ツアーのMCで毎回出し物をしなくちゃいけなくて、里英さんが中心になって全公演の台本を考えてくれた。すごい尊敬しました」など、各々のエピソードを披露。そんななか横山は、「北原さんはすごく優しくて最高なんですけど、私のDVDプレイヤーを6年以上も返してもらってないです。もう自分のシールとか貼ってましたから。私物化するのはやめてください!」と訴えて、綺麗にオチをつけていた。  それから再びNGT48のメンバーたちが登場。「絶滅黒髪少女」「Choose me!」から、NGT48の楽曲「世界はどこまで青空なのか?」などを披露。ラスト曲「青春時計」では、曲終わりに本来の振り付けにはない、メンバー全員が北原に抱きつくというサプライズ。これには北原も一瞬びっくりした表情を見せながらも、嬉し涙を見せていた。 北原里英卒業コンサート アンコールでは会場一体の盛大な「りえちゃん」コールに包まれたなかで、後輩一人一人の手書きメッセージがスクリーンに映し出される。そして会場の照明が暗転して、ステージ中央にスポットライトが当たると、NGT48カラーの赤いドレスに包まれた北原里英が立っている。10年間で初めてのソロ曲となる卒業ソング「私のために」を歌い出すと、これまでの想いが、涙とともに溢れ出した。曲の間奏では、「いまこんなに綺麗なドレスを着て、こんなにもたくさんのファンの方の前で秋元先生が書いてくださった歌をうたえていることは私にとっては奇跡です。決して楽しいことばかりではなかった10年間。私を救ってくれたのは、ここ新潟県です。新潟県に来て、大切だ、好きだと思えるメンバーと出会えて、信頼できるスタッフさんにも出会えて私は変われました。たくさん成長できました。こんなふうに卒業できることが今でも夢みたいです。感謝してもしきれません。今まで頑張ってこれたのは、ほんとにみなさんのことが大好きだからです。周りの人に恵まれて、私は本当に幸せでした」と、感謝の言葉を述べて深く頭をさげた。 北原里英卒業コンサート 最後はNGT48の初オリジナル曲「Maxとき315号」とともに、バラの花で飾られたトロッコに乗って退場。……するのかと思いきや、会場外からトロッコに乗る北原が中継でスクリーンに映し出されると、メンバーからも「え!? どこまで行くの?」と笑いが漏れ始める。「外は寒いです~」というセリフを言いながら、北原は「NGT48の原点に帰るという意味であの方法で去りたいと思います!」と、NGT48がデビューのお披露目イベントで使った船に乗り込み、手を振りながら信濃川へと旅立っていった。約5分間の北原劇場を見せられたメンバーたち。柏木は「私たちが2年前にお披露目イベントのときに乗っていた思い出の船に乗って、女優のように旅立っていきましたけども。これが里英ちゃんのいいところだよ。感動とシュールの絶妙なバランスだね」と、嬉しそうに笑った。 北原里英卒業コンサート ライブでは荻野が「しんみりして終わってしまうのは里英さんも悲しいと思うので!」と、最後に「春はどこから来るのか?」を歌って、2日間の大イベントに幕を下ろした。  かつてAKB48では“永遠の次世代エース”と呼ばれていた北原里英。その頃から、「私は中間管理職のような人と人とを繋ぐ、パイプ役になりたい」と話していた彼女がNGT48でNGT48とファンを繋ぐ役割を全うした約3年間。彼女がいなかったら、NGT48がこんなにも早く頭角を現すグループになっていなかったかもしれない。そんな偉大な初代キャプテンの後ろ姿は後輩たちによって受け継がれていく。今後の北原里英と新生NGT48に躍進を期待したいと思う。 取材・文/日刊SPA!編集部 撮影/林 紘輝(本誌)
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