信頼のGoogle検索で詐欺ECサイトが上位に並ぶワケ
このネット社会において、「わからないことは人ではなくGoogle先生に聞く」というのは今や常識と言ってよいだろう。
巷では「Googleに存在しない情報はない」あるいは、「Googleに存在しない情報は、情報として存在しないのと一緒」と口にする者も少なくない。それだけポータルサイトであるYahooにかわり、Googleが強大な地位を築いてきたのが我が国の(世界の)インターネット史だとすれば、ここ数年はその“真理”が大きく崩れようとし始めている。
きっかけとなる出来事はいくつかあるが、この問題にかんする議論の補助線を引くとすれば、2016年に起きたWELQ問題が挙げられるだろう。
インターネットでは医療情報にかんする検索数が多い。それに目をつけた大手IT企業のDeNAが、広告収入を目的としてGoogle検索にヒットしやすいように外部ライターを使い、エビデンスのない検索頻度の高い医療用語を解説する記事を量産していたのだ。
結果、無根拠な医療情報を見たユーザーがそれを実践。重大な事故を起こしかねないような混乱を招き、DeNAは謝罪、WELQを含むキュレーションサイトが軒並み閉鎖に追い込まれたのが2016年末のことだ。
この問題の本質は、Googleが悪質サイトを淘汰できず、SEO施策としてIT企業に「攻略」されてしまったことだ。WEBサイトではPVという指標が収益を決定づけるゆえに、時事的な話題や、世間で強い関心を持たれているキーワードを記事内に入れれば、検索結果の上位に並んでしまう。
結果、ググっても悪質なサイトだらけになってしまう場合もある。
いまや、Googleの検索結果は、ユーザーの疑問にもっとも信頼できる情報を示すものではないのかもしれない。
今回は、その最たる例を紹介しよう。
憧れの高級ブランド品を少しでも安く買いたい。
庶民なら誰しもそう思うところだが、そこで検索サイトを駆使して「ブランド名 激安」などと入れて上位に出てきたショッピングサイトを信用してはならない。あっという間に詐欺被害に遭ってしまうからだ。
ITジャーナリストの三上洋氏は「ブランド品を買おうとして安易にネット検索をしないでください」と忠告する。
「今や、Googleの上位ページには偽ショッピングサイトが大量に溢れています。サイトの作りもしっかりしているので怪しく見えず、実際に存在するECサイトをそのままコピーして連絡先だけ変えたものもあります。しかも、そんな詐欺サイトが、検索上位に普通に出てきてしまうのです」(三上氏、以下同)
「レイバン 激安」でググるとヒットするのは詐欺サイトだらけ
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