官僚たちが「やってらんねぇ!」と悲鳴。「残業を月260時間したことも…」
最近は問題続出で、与野党の追及と国民からの非難に晒される過酷な毎日を送る官僚たち。しかし、現場のほとんどの職員は「真面目に業務に励んでいるのに……」と嘆く。そんな霞が関の“やってらんねぇよ”な声をお届けする。
財務省のセクハラ問題や森友文書改ざん、文科省の天下り斡旋の違法行為、厚労省の裁量労働制に関する不適切データの使用、防衛省のイラク日報隠ぺいなど、行政の不祥事が相次ぎ、官僚は日夜国会対応に追われている。
「もうやってらんねえよ!」と感情を吐露するのは、国交省勤務の郡司正弘さん(仮名・31歳)だ。
「毎日公益のために真面目に働いているのに、一連の事件のせいで周りからバッシングしかされません。本当、馬鹿らしくなりますよ」
事実、国民の視線は厳しさを増すばかり。証人喚問で証言拒否を連発した佐川寿宣前国税庁長官には、国会前のデモ隊から「忖度やめろ」と、怒りの声が上がった。
加計学園問題も再燃中だ。当時首相秘書官だった柳瀬唯夫氏が愛媛県と今治市の担当者と首相官邸で面会し、「本件は首相案件」と発言していたことが明らかに。この疑惑について柳瀬氏は、昨年7月にも国会で「記憶にない」と説明していたが、疑義が生じている。
このような事態のなか、省庁の内部の職員も不安の色を隠せない。環境省の女性職員(28歳)は不安げな顔でこう話した。
「悪いことはしたくない。そう考えて官僚になったんです。でも、最近のニュースを見ているとなんのためにここに入ったんだろうって、情けなくなってしまいます」
3月には、森友問題に関わったとされる近畿財務局職員が自殺する事態も発生。「本省の改ざん指示があった」というメモを残したとの報道もあり、残業が100時間を超える月が続き、鬱状態だったとも言われている。
ただ、こうした厳しい労働環境は珍しくないと、経済産業省の男性職員(36歳)は証言する。
「自分も朝7時から深夜4時まで3か月連続で働き続け、残業が月260時間になったことがあります。繁忙期は仕方ないですが、死ぬかと思いながら真面目に働いているのに、上はコレですよ……」
各省庁の労働組合がつくる「霞が関国家公務員労働組合共闘会議(霞国公)」によると、中央官庁の職員約1万人を対象にした調査結果では、今までに過労死の危険を感じたことのある職員は約3割にも上る。そして、実際に自殺も少なくない。
人事院の「平成26年度死亡者数調査」では国家公務員の死亡原因は自殺(16.4%)ががん(40.1%)に次ぐ2位。財務省の5階には飛び降り防止の金網があるという。
「働き方改革」を掲げる政府がこのような労働環境なのだ。「もうやってらんねぇよ!」という官僚たちの声が、今日も虚しく響く。
― 官僚「もうやってらんねぇよ!」白書 ―

残業は最大月260時間! 激務と非難の嵐に耐える官僚たち
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