まんしゅうきつこが考える“ヌシ対策”
ヨモギダ:嫌いなマナー問題についてはどうですか?
きつこ:サウナの中で緑色のアカスリグローブで体をこすっている人がいるのはNGかな。人のマナー違反にはめちゃくちゃうるさい人なんですけどね。垢は出るけど、自分の体は綺麗になるからいいのかも。あとはサウナの床にタオル敷いて場所取りして、マーキングする人も。荷物をどかすと大激怒するんです(笑)。
ヨモギダ:それはいわゆるヌシ(注:女子サウナをしきるボス猿的な女性の存在)ですか?
きつこ:そうですね。ただ、実は言うほどヌシって多くない。スーパー銭湯なんてほとんど見かけませんよ。
ヨモギダ:まんしゅうさんはヌシがいるほうが好きですよね。
きつこ:ヌシって、話すと実はむちゃくちゃ面白い。経験人数まで教えてくれますよ。60歳くらいで「両手、両足じゃ足りないくらいの人数」だって(笑)。
ヨッピー:僕は嫌いなマナーっていうより、「マナーマナー」ってうるさいのがマナー違反だと思うんです。人それぞれ、喋りながらサウナに入りたい人もいれば、静かに楽しみたい人もいる。そこに干渉することで、不機嫌なオーラが室内に蔓延するほうが、よっぽど辛いですよね。
ヨモギダ:それはわかります。ただ、例えばヌシの存在に困ってるってお店も多いんですよ。男性サウナにヌシ的な人は少ないけど、まんしゅうさん、ヌシ対策についてはどう思いますか?
きつこ:出禁は絶対にダメ、かわいそう。だって、三度の飯よりサウナが……って人たちですよ? 私が銭湯サウナに行き始めた頃、サウナの入り方がわからなくてよく怒られたんですけど、その時思ったのが、銭湯側が貼り紙とかで最低限のマナーを書いてくれればいいのにって。髪を洗ってからサウナに入るとか、タオルは敷いて座るとか。対策になるかわからないですけどね。
ヨモギダ:「サウナでのエキセントリックな話」についてはどうでしょう?
ヨッピー:あるサウナにスキンヘッドのヤクザみたいなおじさんがいて。刺青はないけど、顔はめっちゃいかつい。で、サウナの中で、T字カミソリで頭の毛を剃り始めたんですけど、荒っぽいんですよ! すごいシャッシャッとやって、後頭部に血がたれてるです。それが、亀頭みたいで……(笑)。血が出てるのも本人は気づいてないんですよ。
ヨモギダ:毎日歯茎から血が出てる人みたいな……そんな感覚なんでしょうね。
きつこ:水風呂で滝に打たれる荒業みたいに拝んでる人がいましたね。
ヨッピー:サウナとスピリチュアルって相性いいんですかね? 知り合いで、「しきじ(静岡県にあるサウナしきじ。サウナの聖地)に行くと宇宙と交信できる」って真顔で言う人がいて(笑)。
きつこ:水につかるって行為が邪気を払うんです。私は水風呂に入る前に水を体にかけるんですけど、それはすべて邪気を払うためですから。あと、エキセントリックというか、パイパンを目の敵にするヌシはいますね。パイパンの若いコを捕まえて、「あんたのお母さん、なんて思ってると思う?」って説教始めたり(笑)。
ヨモギダ:まんしゅうさんもパイパンにしたんですよね。ヌシに怒られたとか?
きつこ:いや、それが怖くてずっとそのヌシがいるサウナに行かなかったんです。だいぶ生え始めた頃に久々に訪れたら、「あんたがこないから、私を避けてるのかと思ったよ」って(笑)。だから私、「パイパンにしていたんです」って正直に告白しました。ちなみに、アダム&イブのパイパン率は高いですよ。ヤクザの情婦みたいな美人が、素っ裸でドライヤーかけたりして。