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保育園のパパ会はやっぱり地獄なのか? サイゼリヤでの飲み会に初参加した結果…

大好きなんだけど、それとこれとは別な気が……

当日は朝からユーウツ……

 願いもむなしく、タイムライン上には、 「りょーかいです」 「了解です。楽しみです」 「お風呂入れてから駆けつけます」  羊かよ……ッ。憤りを感じつつグループラインに力強く投稿するのであった。 「サイゼリヤ、いいですね。当日、楽しみにしてます」  ああ、悲しいかな。骨の髄までしみついたサラリーマンの処世術は、こんなところでも発揮されてしまうのか。空気を読める俺が憎い……。そして、当日を迎えた。

パパだけで何を話せばいいんだよ

 その日は朝からずっとユーウツだった。ママと違ってパパは仕事以外のこうした集まりでの会話に向いていない。じゃあ仕事の話でもするのか。いやだな。マウンティング合戦になりそうで。ほんと、何話せばいいんだよ。  集合時間がやってきた。余裕で徒歩圏内のサイゼリヤまで、ちょっぴり気の利いた私服を着込んで、いざ、鎌倉。  日曜19時。家族連れでごった返す店内に足を踏み入れると、6人席と4人席をくっつけた大テーブルに、明らかにそれとわかる集団の姿が目に入った。軽く挨拶を済ませて、生ビール(399円)で乾杯してスタート。  初対面のパパさんも含めての会話が繰り広げられる。「今日は何してましたか?」「お風呂入れてきましたか?」といった話から、「よく行く公園の遊具はああだこうだ」「あの小児科は混んでる、空いてる」「最近、溶連菌が流行ったみたいですよね」「すみません、それ、ウチの子です」「ああ、じゃあお休みして?」「病児保育、遠いんですよね」と、数珠(じゅず)繋ぎに会話が繋がっていく。

都内某所のサイゼリヤにパパたちが集結……

「どの保育士さんが可愛いか?」論争も……

 結論から言うと、当初の「何話せばいいんだ?」という心配事はまるで杞憂(きゆう)だった。日常の会話、周辺施設の情報、保育園の噂話など、すべてが欲していた話題ばかり。安ワインをかっぽかっぽと空けても、まるで懐は痛まない。前菜&おつまみは「端からもってこい」状態で事欠かない。サイゼリヤ、ベストチョイスじゃないか?  酔いが回るほどに、話題は多様性を帯びてくる。いわゆる「保育士さん、誰が可愛いか? 問題」はもちろん、「37.5度の壁(園での定期検温でこの数値を超えると即呼び出しがかかる)」にまつわる自虐エピソードの数々。2時間程度で話すことがなくなるんじゃ……と思っていたのに、気づけば時計の針は夜12時を回ろうとしている。開始から5時間。それでも、まだまだ語り足りないことはいくらでもある。

断言しよう。保育園のパパ会は最高だ

 なぜ、パパ会を必要以上に恐れていたのだろう。周囲から「パパ会は地獄」という声があった。SPA!でも「パパ友地獄」なる特集が組まれたこともあった。改めてその声の主を見ると、明らかに筆者が参加したパパ会と違う点がある。それは枕詞に「保育園の」がつかない点だ。  周知のとおり、都内の認可保育園に入るには、いわゆる“不幸加点”が問われてくる。両親ともにフルタイムであることは最低ライン。皆、それに加えて兄弟の数や、認証保育園、認可外保育園、ベビーシッターへの出費など、状況が厳しければ厳しいほど、保育園に入れるという現状だ。娘を入れた保育園の1歳児クラスの倍率は10倍だった。いわば、この日この夜、筆者を含めてサイゼリヤに集ったパパさんたちは、同じ辛苦を共にする同志。これで共感値が高まらないハズがない。  12時を超えたところで、第1回目のパパ会はお開きになった。会計はひとり3000円弱! 安い、漫画喫茶よりも、ぜんぜん安い。 「また、近々やりましょう。次は、保育士さんとパパさんが1対1の割合で揃う趣向で(笑)」  改めて断言しよう。保育園のパパ会は最高だと。二の足を踏んでいる共働きのパパさん、是非、一度、企画してみてはいかがでしょうか。〈取材・文/スギナミ〉
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