発達障害の当事者が考えた「弱者のための仕事術」
「発達障害は昔よりも認知されるようになりましたが、それでも普通のサラリーマンが気楽に話せる場なんてない。僕の本が売れたのも、それだけ『実際にはどんな生き方をすればいいのか?』と、生の情報を知りたい人がいたからでしょう。発達障害の人の中には『社会は助けてくれない』と、恨みすら持っている人もいます。けど、それだと意味がないと思うんです」
借金玉氏の実体験が詰まった著書は、まさに「今の時代が生み出したヒット作」と言えるだろう。
《借金玉氏考案の仕事術3選》
1.必要なものはすべて鞄にぶっこんで持ち歩く
仕事道具、身だしなみグッズなど、生活に必要なものはすべて鞄にぶちこむ。大容量のサイズを選ぶのはもちろん、開口部は広く、仕切りも豊富なものを選ぶ。入れ替えると紛失のタネになるのでそのほかの鞄は廃棄する
2.忘れ物を防ぐため予備を大量に購入
仕事で必要なものはすべて大量購入し、自宅と会社に保管。小物は鞄に入れておけば忘れ物はしないで済む。借金玉氏は「絶対に夜に充電し忘れる」という理由でモバイルバッテリーを常時2つは持ち歩いているそうだ
3.顔と名前を覚えるため名刺に「あだ名」を書く
記憶力に自信がない借金玉氏は上司の顔すらおぼろげのため、貰った名刺にあだ名を記していく。キャッチーなほうが視覚情報として結びつきが強くなるため、「カマボコ顔のメガネおっさん」など楽しげなものを書くとか
【借金玉氏】’85年生まれ。ADHDの発達障害者。早稲田大学を卒業した後に金融機関に勤めるも“敗走”。現在は営業マンとして勤務している
― 大人の発達障害 ―
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