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「森永チョコフレーク」生産終了に涙…消えた名作お菓子を振り返る

駄菓子屋

梅ジャム:製造会社の廃業により2017年12月で生産終了

 駄菓子屋の棚に鮮やかな彩りを添えていた『元祖 梅ジャム』。ソースせんべいに塗って食べるのがメジャーだったが、人によっては、袋から直接チューチューと吸って楽しんでいたことだろう。実はこの梅ジャム、1947年の販売開始以来、荒川区にある「梅の花本舗」という企業の社長がひとりで作り続けていたそうだ。最盛期には年間3000万円もの売上があったが、やはり少子化や、さまざまなお菓子の登場により、売上は年々減少していたらしい。機械の老朽化や社長の体調不良などもあって、70周年となる2017年をもって同社は廃業。梅ジャムも生産終了となった。  ちなみに、生産終了が明らかになった際には、「跡を継ぎたい」という申し出もあったそうだ。しかし、1袋10円のお菓子を作る超薄利多売な商売であることや、70年かけて培ったこだわりの味は、そう簡単に出せるものではない、ということから全て断っていたらしい。

ドンパッチ:都市伝説が流れたことも… 2000年に販売終了

 口の中でパチパチとはじけるキャンディー『ドンパッチ』もまた、2000年に販売が終了されている。ドンパッチが販売開始されたのは1979年のことで、AGF(現、味の素AGF株式会社)がライセンス販売していた、アメリカのお菓子『テレパッチ』を改良し、刺激を強めたものとして発売された。新感覚のお菓子として子供たちの間で一躍大人気になり、明治製菓の『わたパチ』など、今なお続く“はじけるお菓子”の市場を作り出した存在だ。  こちらも生産終了の理由は明らかになっていないが、一部では「一気食いしたらお腹の中で爆発した」「ドンパッチを鼻に入れたら破裂して鼻血が出た」などといった、都市伝説による風評被害が原因ではないかとの噂が流れたこともある。  自分はどちらかというとわたパチの方が印象に残っている、という方も多いかもしれないが、残念なことに、わたパチも2016年8月で生産終了となってしまっているのだ。

チューペット:カビ混入により2009年に生産中止

 類似品が大量に販売されているためご存じでない方も多いとは思うが、真ん中で折って食べるアイス『チューペット』も、実は2009年に販売が終了している。  本家本元のチューペットは、大阪にある前田産業株式会社によって生産されていた。1975年の発売以来、長らく同社の看板商品であり続けたのだが、2009年5月、商品にカビが混入していたことが明らかになり、回収騒ぎに。前田産業は生産再開に向けて奮闘したものの、最終的に断念。使用していたポリ容器が、混入していたカビを殺せるほどの高温消毒に耐えられないものであったこと、そして生産再開するためには莫大な設備投資が必要となってしまうことから、2009年9月、その歴史に幕を閉じることとなったのだった。  森永チョコフレークの生産が終了するのは、来年の4月~6月ごろだと発表されている。大人になった今、そうそうお菓子を食べる機会はないかもしれないが、別れを惜しむなら、半年ほどの猶予がある今のうちに“食べ収め”をしておくことをおすすめしたい。<文/A4studio>
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