「デブのおじさん」は結局、何を着ればいいのか? ファッションバイヤーMB×『Mr.Babe』倉科編集長・特別対談
「おしゃれにはセンスが必要」との固定概念を覆し、ファッションに明確なロジックを取り入れ、幅広い層から支持を集めるファッションバイヤーMB氏と、おしゃれに関する情報が圧倒的に不足していたぽっちゃり層に向けてファッション情報を提供する『Mr.Babe』を立ち上げた倉科典仁氏。そんなメンズファッションの世界に新しい風を吹き込んだ両人による初対談が実現!
倉科:MBさん、ずっとお会いしたかったんですよ。今をときめくアパレル業界で飛ぶ鳥を落とす勢いの方じゃないですか!
MB:いやいや(笑)。
倉科:申し遅れました、倉科と言います。私はデブ歴30年のキャリアです。 昔『メンズナックル』という月刊誌の編集長を12年くらいやってまして。
MB:知ってますよ、伝説の雑誌ですよね。
倉科:うれしい!ちょっとデブについて基礎講座を開いてもよろしいでしょうか?
MB:お願いします(笑)。
倉科:厚生労働省の発表によると、日本の成人男性の3人に1人が肥満体型なんです。でも、デブは悪いことばかりじゃないんですよ。もう一つ、嬉しい統計がありまして……。
MB:なんですか?
倉科:標準体型の男性よりも、肥満体型(BMI:25~30未満)の男性ほうが死亡リスクは6%少ないんですよ!
MB:えっ!そうなんですね。
倉科:意外でしょ?つまり、MBさんと私では私のほうが長生きするんですよ(笑)。
MB:なるほど(笑)。
倉科:でも、メンズナックル時代に扱っていた109系のブランドってのが、どう見ても僕の体型に入らないんですよ。ね。
MB:それは……わかります(笑)。
倉科:なのでデブは自分で服を探しに行かなきゃいけないんだけど、アパレルの店員さんってすごく怖いじゃないですか。
MB:うんうん。話しかけてくるし、商品推してきますしね。
倉科:そうそう! それで、もう日本人の3人に1人がデブということですし、デブのためのファッション情報インフラがないのはおかしいだろう!と思って雑誌を作ったんですよ。
MB:それが『Mr.Babe』ですよね。
倉科:で、雑誌を作ってわかったんだけど、デブ向けの服ってジャストサイズがないんですよね。
MB:うんうん。
倉科:たとえばプロレスラー。彼らは肩幅があるけど手足が長いわけじゃないから袖がダボッとしちゃう。単純に3Lとか4Lを着ればいいって話じゃないんですよ。
MB:それ、すごく同意します。実は僕もいま身長が小さい人向けのセグメントブランドを提案してる最中なんです。
倉科:おお! 『Mr.Babe』のスモール版だ!
MB:一定数いるにもかかわらず、身長が小さい人向けのブランドがないのってマーケット構造としておかしいじゃないですか。まさに『Mr.Babe』の問題意識と一緒です。
倉科:本当ですね。
MB:じゃあなぜそういうブランドがないのか。それはメーカーが在庫を抱えるのが怖いからなんですよ。そのためにマス(大衆)に向けて誰でも着れますよって言い方をして平均的体型の服だけを売っちゃってるわけです。
倉科:でも、そういうアパレル業界の戦略って、間違ってると僕は思うんですよ。
MB:うんうん。
倉科:以前僕が編集長をしていた『メンズナックル』では雑誌でプロデュースした不良系の服がちょっと値段が高くても売れるんですよ。つまり、多少単価が上がっても、小ロットでも、ターゲットが明確なら彼らは買うんです。これが俺たちのほしかった服じゃん!って。
MB:あー、そうでしょうね。
倉科:なので、デブ向けの服を作ったら売れるはずなんです。
MB:完全に同意します。そもそも、一番高い客単価を取れる商品やサービスって、コンプレックス商材じゃないですか。
倉科:そうですね。
MB:AGEとか美容整形とか、そういうのはみんな単価が高いですよね。
「つまり、MBさんと私では私のほうが長生きするんですよ(笑)」(倉科)
「一番高い客単価を取れる商品やサービスは、コンプレックス商材」(MB)
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