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貧困、メンタル、妊娠…悩める風俗嬢の駆け込み寺「風テラス」とは?

 また、“サポートする側”の認知度も高めることも重要。取材に訪れた日は、福祉職やソーシャルワーカー、行政関係者を対象にした「風俗福祉基礎研修」の会だった。研修会の様子を見学させてもらったが、10名以上いた参加者はとても真剣に話を聞いていたり、遠方からの参加者もいたのが印象的だ。

風俗福祉基礎研修の様子。「性風俗」という言葉の解説からはじまる丁寧さ

「風俗業界はまだまだ世間に知られていない状態。福祉関係者も、デリヘルの意味すら分かってないことが多い。まずは本当に基礎の基礎、デリヘルやソープなどの業種説明などの風俗の基本的な知識から、貧困問題と風俗の位置づけを解説したり、実際にあった相談事例を元にグループディスカッションも行います」  現在、日本の性風俗産業で働く女性はおよそ30万人ほど、首都圏だけで10万人以上はいると言われている。2020年に向けて、今後取締りは益々厳しくなることが予想され、稼げない貧困風俗嬢は、より増えることは確実だ。 「窓口を全国に置くことが急務だと思っています。現在、相談窓口があるのは東京・大阪・新潟の3拠点。これを北海道のすすきの・仙台・福岡などにも広げたい。クラウドファンディングで資金を集めたり、弁護士や相談員など支援する側の育成も課題です。そのためにもっと『風俗の現場にはこうした社会課題があって、こういう人が働いてますよ』ということを発信していきたい。そうすれば全国的にサポートも手厚くできるようになるはずです」 〈取材・文/松嶋三郎〉 【坂爪真吾氏】 1981年新潟市生まれ。東京大学文学部卒。一般社団法人ホワイトハンズ代表理事。新しい「性の公共」を作る、という理念の下、重度身体障がい者に対する射精介助サービス、風俗店で働く女性の無料生活・法律相談事業「風テラス」など、社会的な切り口で現代の性問題の解決に取り組んでいる。10月16日に新刊「パパ活の社会学 援助交際、愛人契約と何が違う?」(光文社新書)を発売した。
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●一般社団法人ホワイトハンズ
http://www.whitehands.jp/menu.html

●風テラス ~風俗で働く女性が、安心して相談できる窓口を作りたい!~ - CAMPFIRE (キャンプファイヤー)
https://camp-fire.jp/projects/view/95841
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