マッチングアプリで交際・結婚を決めた人たちへの偏見。上司は失笑、母には泣かれ…
「マッチングアプリ」と聞いて、何を思い浮かべるだろうか。現代の若者たちにとっては、もはや“普通”の出会い方。交際につながり、結婚する人も増えてきた。とはいえ、30代以上にとっては、出会い系、不倫の温床などと考える人も多いかもしれない。
そんな世代間の感覚差から、たとえ真剣に付き合っていても社内や家族に相手を紹介する際、嫌な思いをしてしまうこともある。
都内在住の会社員男性・鈴木潤一郎さん(20代・仮名)は、社内の同期が次々と結婚していく中、唯一の独身だったが、この秋ついに結婚を決めることができた。
「うちは小さな会社ですので結婚披露宴には社長や専務も呼ぶことになります。まず先輩や上司に報告しました。すると、式の前に盛大に祝ってやると言われ。そこまではよかったのですが……」
お祝いの飲み会で、鈴木さんの上司が言い放った言葉に、それまでの和やかな雰囲気は一気に吹き飛んだ。
「婚約者とは、マッチングアプリで知り合いました。30代以上の方に言うとけっこう驚かれるのですが、僕のまわりではマッチングアプリがきっかけで付き合ったり結婚したりするのは、そんなに珍しいことじゃないんです。なのに……」
鈴木さんと婚約者の馴れ初めを聞いた上司は「なんだそりゃ? 出会い系で結婚したのか?」とすっとんきょうな声を上げると、大笑いした。それに釣られるように、30代後半以上の上司たちからは失笑が漏れだしたのである。
「出会い系の女と結婚したのか?と言われて、悲しいというか腹立つというか、そんなにダメなことなのかと悲しい気持ちになりました。30代の上司からは『ナンパのほうが健全』と言われ、50代の上司などは『やはりお見合いを復活させるべき』などと言い出す。もう僕を祝ってくれるような感じじゃなくなりました。結婚式にこういう人たちを呼びたくない、と思いました」
結局、鈴木さんは予定していた披露宴は取りやめにし、飲食店を貸し切って仲間内だけでパーティーをやることにしたそうだ。
マッチングアプリで彼女と知り合い結婚を決めたが…
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