では、ユニクロのジャケットは細身の人には合わないか？というとそんなことはありません。 　ユニクロにはプレミアムウールのスリムフィットジャケットがあります。これはセミオーダー感覚で袖の長さを調整できるジャケットです。 　ただ、プレミアムウールだと、スーツのようなカッチリした印象があり、週末は使いづらい。狙い目は秋冬のオフィスカジュアルや、エレガントカジュアルとして週末も使えるオンオフ兼用の「ウールフランネルスリムフィットジャケット」です。 　秋冬を表すウールの毛羽立ちが印象的で、スリムな人を想定としたすっきりシャープな印象です。 　老若男女をターゲットにしているユニクロだからこそ、ややゆったり目のシルエットが多いユニクロのラインナップの中で、このジャケットは先ほどのコンフォートジャケットとは型紙（ジャケットの設計図）が作りが違っているため、細めの体型の人にもフィットするように作られています。 　 　そのうえで、もしユニクロのジャケットが合わなかった場合、ツープライススーツ量販店に行ってみてはいかがでしょうか。THE SUIT COMPANY、SUIT SELCT、P.S.FA、オリヒカ、ONLYと呼ばれる「ツープライススーツ5大ブランド」では昨今スーツのみならず、オンオフ兼用のジャケットが展開されています。 　そして、これらのショップではサイズ展開が身長ごとに「細身・標準・ゆったり」というようにサイズが細分化されているのです。だからこそ、肩幅狭め、がっちり、お腹が出ているなど、体形が特殊で自分のサイズを見つけるのが困難な人ほど簡単にジャストサイズが見つけられるのです。 　なぜツープライススーツ5大ブランドが、スーツのみならずオフィスカジュアルとしてオンオフ兼用のジャケットを扱っているのか？　そのわけは、ビジネスファッションの多様化にあります。 　昨今、働き方改革でオフィスファッションがスーツのみならず、ジャケパン（ジャケット＋パンツ）が認められるようになった結果、ビジネスと私服のボーダーラインが曖昧になりました。そのため、スーツ量販店でも週末使用のジャケットを販売しているのです。 　特にサイズ感で悩んでいる方は一度覗いてみてはいかがでしょうか。プラス数千円でさらなる微調整も可能です。 　まとめると、「ジャケットは肩で着る」と言われていますが、身長次第で優先するチェックポイントは変わるということ。今ではさまざまなショップでジャケットを取り扱っているので、身幅・袖のバランスを考えて、自分にピッタリのジャケットを選んでみてください。 ＜TEXT／森井良行＞“あなたのお抱えスタイリスト”として、その違和感を言葉で可視化する。著書『38歳からのビジネスコーデ図鑑』（日本実業出版社）など5冊。MENSA会員。公式サイト「エレカジ」では、80件を超えるコーディネート事例を公開。