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タイに実在する“地獄”と呼ばれた世界最悪の刑務所

犯罪者でさえ、生きるのが困難な環境

 主要キャスト以外の役者の大半は、現地タイ人の元囚人が起用されている。実際の獄中体験に基づいた迫真の演技……いや、演技ではなく、ほとんどリアルだ。
暁に祈れ

ゴンザレス氏いわく「今年でいちばんヤバい映画」(c)2017 – Meridian Entertainment – Senorita Films SAS

 ゴンザレス氏が映画に出演している元囚人のチャルームポン・サワットスック氏にインタビューしたところ、「特に役作りはしていない。監督からは『とにかく刑務所にいた時と同じようにしてくれ』と言われた。(映画で描かれていた刑務所の様子は)80〜90%はリアルですね」とのことだった。
刑務所

殺人と麻薬の罪で服役していた元囚人のチャルームポン・サワットスック氏(右)

 そんな彼が実際に服役していた理由は、なんと殺人(&麻薬)。「人から頼まれて、お金のために殺した」らしい。そんな彼でも刑務所の中は「怖かった」という。ゴンザレス氏がこう話す。 「タイの一般市民も刑務所の実態は知らないことが多い。みなさんも普段生活している中で、まわりに犯罪者はいないと思います。この映画に出てくる人たちは役どころだけではなく、実際に元犯罪者。“現”もいるでしょう。そういう人たちだって、地獄みたいな環境の中で生きるのは大変。どんなに追い詰められて今が地獄と思って犯罪に走ったとしても、その先にまっているのは、さらなる地獄だということですね」 丸山ゴンザレス 社会の底辺でもがきながら生きてきた人たちが、どのように更生していくのか。泥沼から抜け出すことはできるのか。生々しい人間ドラマがそこにある。<取材・文・撮影(トークイベント)/藤井敦年、写真提供(タイ現地)/丸山ゴンザレス>
明治大学商学部卒業後、金融機関を経て、渋谷系ファッション雑誌『men’s egg』編集部員に。その後はフリーランスとして様々な雑誌や書籍・ムック・Webメディアで経験を積み、現在は紙・Webを問わない“二刀流”の編集記者。若者カルチャーから社会問題、芸能人などのエンタメ系まで幅広く取材する。X(旧Twitter):@FujiiAtsutoshi
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●映画『暁に祈れ』
監督:ジャン=ステファーヌ・ソヴェール
原作:ビリー・ムーア「A Prayer Before Dawn:My Nightmare in Thailand’s Prisons」
主演:ジョー・コール
配給:トランスフォーマー
http://www.transformer.co.jp/m/APBD/
※2018年12月8日(土)よりヒューマントラストシネマ渋谷&有楽町、シネマート新宿ほか 全国順次公開

●ニコニコ生放送『村田らむ×丸山ゴンザレスの「やべえ話」』
放送日時:12月9日(日)20:00〜21:30
出演:丸山ゴンザレス(犯罪ジャーナリスト)、村田らむ(ライター・イラストレーター)
視聴URL:http://live2.nicovideo.jp/watch/lv317081570
※現地タイ取材の裏側などを語る予定
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