「パパ活」というものにショックを受けています。56歳男性の悩み
パパ活は、そこそこ助平だが不倫をするリスクは取りたくなく、風俗では雰囲気が出ないと思っているため、若い女性とデートをして一種の支配欲を満たしている人もいると思います。
それとは別に、妻との関係は冷めきっていて娘も口をきいてくれず、会社で女性の部下からも相手にされない男性が、金銭や高価な食事を媒介に女性とのコミュニケーションを必死になって取りたがっているのがパパ活なのだと思います。ここには社会的な背景があります。金沢大学法学類教授の仲正昌樹先生がこんな指摘をしています。
===============
ボードリヤールが「第二の革命」と呼んでいるのは、この「自由の深淵」が次第に顕わになることによって、「人間」中心の世界観も揺らぎ、価値の座標軸が消失していくプロセス、言い換えれば、「ニヒリズム」が深く浸透していくプロセスであると見ることができる。
近代の啓蒙主義は、神学的な「見せかけ=仮象」と思われるものを破壊することによって、“人間本性”を解放しようとしたが、「人間」それ自体を価値の源泉として浮上させたことによって、ニーチェのツァラトウストラが直面せざるを得なかった「自由の深淵」をも浮上させることになったわけである。「人間」自身の中心にブラックホールのような“深淵”が開いているかもしれないことが分かってしまった、ということである。
(『ポストモダン・ニヒリズム』21~22頁)
===============
現下の日本でも、一人一人が分断されて心に深淵が生じています。カネの力で、その深淵を一瞬だけ埋めようとする哀れな努力がパパ活だと思います。
’60年生まれ。’85年に同志社大学大学院神学研究科を修了し、外務省入省。在英、在ロ大使館に勤務後、本省国際情報局分析第一課で主任分析官として活躍。’02年に背任容疑で逮捕。『国家の罠』『「ズルさ」のすすめ』『人生の極意』など著書多数
★今週の教訓……お金で“深淵”を埋める哀れな努力がパパ活
◆募集◆
佐藤優さんへの相談を募集中。匿名希望の方はペンネームを記入してください。採用者には記念品をお送り致します。⇒応募はコチラから https://nikkan-spa.jp/icol_form
佐藤優さんへの相談を募集中。匿名希望の方はペンネームを記入してください。採用者には記念品をお送り致します。⇒応募はコチラから https://nikkan-spa.jp/icol_form
『生き抜くための読書術』 ウクライナ危機、元首相暗殺事件、コロナ社会、貧困etc. 分断社会を打破する書物とは? |
1
2
◆募集◆
佐藤優さんへの相談を募集中。匿名希望の方はペンネームを記入してください。採用者には記念品をお送り致します。⇒応募はコチラから https://nikkan-spa.jp/icol_form(PCのみ対応)
佐藤優さんへの相談を募集中。匿名希望の方はペンネームを記入してください。採用者には記念品をお送り致します。⇒応募はコチラから https://nikkan-spa.jp/icol_form(PCのみ対応)
『人生の極意』 佐藤優が相談者に送った人生を賢く生き抜く72の処方箋 |
この記者は、他にもこんな記事を書いています
ハッシュタグ