バツイチ子持ち、ホストにハマった女性の貧困生活。娘の写真を売ってカネを稼ぐ日々
いくつになってもチヤホヤされる女性でありたい。たとえ、それが貧困に陥っても……。35歳、バツイチ、無職。都内に住む今井カオリさん(仮名)は9歳になる娘を持つシングルマザーだ。
「地元の高校を卒業後、都内の大学に進学するために上京しました。私の地元は何もないような田舎で、遊ぶ場所といえば近くのショッピングモールくらい。中学の時に雑誌で都会の女子高生を見て以来、ずっと東京に憧れていたんです。親は家業の商店を継いでほしかったそうですが、どうしても上京したかった私は必死で説得しました。進学先はそこそこの偏差値で、就職には困らない私立大学。憧れの東京の大学生になるために猛勉強し、どうにか合格したんです」
憧れの東京で大学生になることができたカオリさん。大学ではサークルに入り、クラブや学生パーティーに夢中になったという。
「イケてる大学生が集まる学生パーティーや飲み会にハマっちゃったんです。パーティーの運営に顔を出すようになるとイケメン大学生とも知り合えるので、それが楽しくて。気づいたら大学は休みがちになっていました。でも、そういうイベントを仕切る立場になると、パー券(パーティー券)を売らないといけないんですよね。
1回のパーティーにつき50枚程度で、売れなければ自腹で買い取らなければいけない。パー券は1枚1000円なので、全部売れなかったら50000円の自腹です。居酒屋でアルバイトはしていたものの、毎晩の飲み会で常にカツカツ。他の学生は実家が金持ちで、毎月生活費以外にも多くの仕送りをもらっていましたが、私の実家は家賃と学費だけで手いっぱい。親に頼むわけにもいかず、ついに歌舞伎町でキャバクラのアルバイトをすることにしたんです」
だが、学生だったカオリさんがキャバクラで売れることはなかった。やがて稼いだお金を握りしめて毎晩、歌舞伎町で飲み歩くようになったという。そこでハマったのがホストクラブだった。
「キャバクラの同僚と仕事後に飲みに行くうちに、ホストクラブに行くようになったんです。元々、イケメン好きなので優しくてかっこいいホストにすぐハマっちゃいましたね。学生と言うと安く飲ませてくれるし、店に行かなくても外で遊んでくれる。気が付くと、あれほど頑張っていた学生パーティーとかどうでも良くなってしまい、すっかり歌舞伎町に入り浸っていました」
どっぷり歌舞伎町にハマってしまったカオリさん。しかし、就職活動はしていたという。
「親に顔向けできないので就職はちゃんとしましたよ。そんなに大きくない芸能プロダクションでしたが、親は喜んでくれましたね。でも社会人になり、仕事も忙しくなるとますます歌舞伎町に通うように。新卒でお給料はそんなに多くなかったけれど、芸能プロで働いていると言うとホストがチヤホヤしてくれるんです。ホストがメディアに出始めて人気絶頂の頃だったので、芸プロに入りたかったホストが多かったのかもしれませんね」
そんなカオリさんに転機が訪れたのは25歳のときだった。
「あるホストにハマってしまい店に通うようになった頃、会社の同僚の男の子に告白されたんです。まったくイケメンでもないしタイプじゃなかったんですが、そのホストと違って甘やかしてくれる彼に惹かれて付き合うことに。それからしばらくして私の妊娠が発覚したんです。彼に報告するとすっごく喜んでくれてプロポーズされました。彼と結婚なんてまったく考えていませんでしたが、仕事もイマイチやる気がなかったので、まぁいいかなとプロポーズを受けることにしたんです」
学生イベントがきっかけで困窮し…
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東京都出身。20代を歌舞伎町で過ごす、元キャバ嬢ライター。現在はタイと日本を往復し、夜の街やタイに住む人を取材する海外短期滞在ライターとしても活動中。アジアの日本人キャバクラに潜入就職した著書『底辺キャバ嬢、アジアでナンバー1になる』(イーストプレス)が発売中。X(旧Twitter):@ayumikawano
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