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発着する列車は1日1本…日本一不便な鉄道駅に行ってみた!

駅があるのは街の中心地。山奥の秘境駅ではなかった

新十津川駅(列車到着後①)

新十津川駅(列車到着後)

新十津川駅(時刻表)

新十津川駅(時刻表)

 列車は9:28に終点、新十津川駅に到着。札幌から乗り継いで2時間半かかったが、折り返しの始発兼最終列車は10:00発。駅のすぐ目の前には大きな総合病院があったが、32分では診察してもらうのはまず不可能だろう。
新十津川駅(駅前唯一のお店)

新十津川駅(駅前唯一のお店)

新十津川駅(駅周辺)

新十津川駅(駅周辺)

 駅前には鉄道グッズを販売する食堂兼喫茶店が1軒あるだけで閑散とはしているが、決して山奥の秘境駅のような場所ではない。駅は町の中心部にあり、歩いて10分ほど離れた場所には比較的新しい一戸建てが並ぶ住宅地もあった。  実は、新十津川駅から石狩川を挟み、直線距離で2kmほど離れた場所に函館本線の滝川駅があり、列車に乗る場合はそっちの駅を利用するという。  道路はやや遠回りになっているがそれでも徒歩なら50分程度で、バスも新十津川駅から5分ほどの場所にある町役場前バス停から1時間に約1本出ている。
別の路線の駅(滝川駅)へ移動

別の路線の駅(滝川駅)へ移動

 そこで滝川駅まで歩いてみることにしたが、途中で新十津川の名産品などが売っている物産店や地元の開拓記念館などに寄り道しながらだったため、滝川駅まで2時間ほどかかってしまった。寒いのは辛かったがテレビの散歩番組のようなノリで楽しむことができた。

来年5月7日の廃線に伴い廃駅に

 隣接する滝川市は、タレに漬け込むタイプのジンギスカン発祥の地で、東京にも進出している松尾ジンギスカンの本店がある。  滝川駅は1時間に1~2本特急が停車し、高速バスも何本も出ている。利便性は列車が1日1往復の新十津川駅とは比べるまでもない。
新十津川駅で撮影する鉄道ファンたち

新十津川駅で撮影する鉄道ファンたち

 JR北海道はすでに2020年5月7日で札沼線(学園都市線)の北海道医療大学駅~新十津川駅の47.6kmの区間の廃止を発表。利用者がほぼ鉄道ファンに限られ、事実上の延命措置状態にあったことを考えればやむを得ない判断だろう。  沿線に有名な観光スポットがあるわけではないが、これからの季節なら北海道らしい雄大な自然や田園風景が車窓から堪能できる。廃線まで残り1年ちょっと。興味がある方はぜひ足を運んでみるといいだろう。 <取材・文・撮影/高島昌俊>
フリーライター。鉄道や飛行機をはじめ、旅モノ全般に広く精通。3度の世界一周経験を持ち、これまで訪問した国は50か国以上。現在は東京と北海道で二拠点生活を送る。
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