スポーツ

イチローだって選抜高校野球では完敗…初戦敗退をへてスター選手になった5人

無名校を牽引した大黒柱も強豪校の強力打線の前に力負け。吉見一起(中日)

吉見一起のピッチングバイブル

『吉見一起のピッチングバイブル』(舵社)

 今や中日ドラゴンズのベテラン右腕となった吉見一起は今から17年前の2002年の第74回選抜に、この大会が春夏通じて甲子園初出場となる金光大阪(大阪)のエースとして出場。前年秋の近畿大会で全国的には無名だった同校を準優勝にまで導いたこともあり、その評価はうなぎ上りだった。注目の初戦の相手は四国の強豪・明徳義塾(高知)。“大会屈指の右腕”の実力を発揮するには申し分のない相手だった。  だが、試合が始まるといきなり初回に森岡良介(元・ヤクルトなど)に先制タイムリーを浴びるなど、強力な明徳義塾打線に圧倒されてしまう。結局、被安打10の7失点で初戦敗退。とはいえ試合後には「1回、先頭打者に打たれて動揺してしまった。変化球がまったく決まらず、真っすぐしか投げられなくなったことが敗因」と冷静に分析。のちにセ・リーグを代表する右腕にまで登りつめることになる、その片鱗が伺える。

同級生のアイドル投手との対決も、投打に完敗。イチロー(元・シアトルマリナーズなど)

イチロー

写真:Jerry Coli

 つい先日、現役引退を表明したレジェンド・イチローも春の選抜で苦杯を舐めている。愛知の強豪・愛工大名電のエース兼3番打者として出場した’91年春の選抜の初戦で対戦したのはこの年の甲子園を代表するアイドル投手・上田佳範(元・中日など)を擁する松商学園(長野)。投手・イチローは試合開始早々にこの上田に2点タイムリー二塁打を喫し、先制点を許してしまった。  それでもチームはその裏にすかさず同点とし、試合は振り出しに。その後、この両投手の投げ合いとなり、両軍無得点が続いていた。だが、8回表2死後のことだった。力投を続けていたイチローだったが、不用意に四球を与えると、次打者にも甘く入った初球の直球を狙い打たれ、これが決勝タイムリーとなってしまう。さらにその打撃が期待された打者・イチローも上田の前に5打数無安打と完全に抑えられ、2-3で競り負けての無念の初戦敗退であった。  春の選抜ではいいところなしで初戦敗退したこの5人。だが、これが最後の甲子園となった大谷やイチローはプロでの雪辱を誓い、結果的にのちにメジャーリーグで活躍するまでになっている。また筒香のようにその後再び甲子園に姿を現し、大暴れしたことでドラフト1位でブロ入りを果たすまでになった選手もいる。今回の選抜では残念ながら実力を発揮出来なかった選手が、このあとどのような成長を遂げるのかに注目したい。 <文/上杉純也>
1
2
テキスト アフェリエイト
新Cxenseレコメンドウィジェット
おすすめ記事
おすすめ記事
Cxense媒体横断誘導枠
余白
Pianoアノニマスアンケート