現在は経営者として歩み始めている桜井さんだが、そもそも夜の世界に入ろうと思ったのはなぜなのか。 「純粋にお金でしたね。それ以外の何でもない。もちろん、今まで働いてきて、自由ですごい素敵な世界だなと思うんです。ただ、もともと水商売に対して前向きではなかったというか……。キレイ事だけではありません。やっぱり嫌だと思うことも多い。だから、こんなにお金をもらえていなかったら、やっていないと思います。キャバクラの魅力は、とにかくお金かな」 　大学1年生のときにキャバ嬢を始めて、すぐに月収200万を超えた。給料は手渡しが多く、封筒に200万円までしか入らないが、それがいっぱいになったことが印象深かったのだという。それ以来、この世界に魅せられ続けている。今後はどのように歌舞伎町を盛り上げていくのか。その手腕に注目が集まる。 　男と女、カネと欲望が渦巻く街・歌舞伎町。この街で、ひとりのキャバ嬢として、そして、女社長として。人知れず、善悪さまざまな側面を見てきたことは想像に難くない。それゆえに、彼女の言葉には強く説得力があり、多くの人を惹き付けているのかもしれない。＜取材・文／藤井敦年、撮影／林紘輝＞明治大学商学部卒業後、金融機関を経て、渋谷系ファッション雑誌『men’s egg』編集部員に。その後はフリーランスとして様々な雑誌や書籍・ムック・Webメディアで経験を積み、現在は紙・Webを問わない“二刀流”の編集記者。若者カルチャーから社会問題、芸能人などのエンタメ系まで幅広く取材する。X（旧Twitter）：＠FujiiAtsutoshi