更新日:2023年03月21日 15:59
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月給500円だった元仮面女子・橋本ゆきが渋谷区議になったわけ

橋本ゆき

仮面女子メンバー時代は「桜雪」の名で活動していた橋本ゆき区議。秋葉原の常設劇場で毎日のようにライブをこなしていたという

政治家を志したきっかけ

 政治家を志したのは、昨年のこと。仮面女子の猪狩ともかさんを襲った事故がきっかけだった。 「猪狩は町中を歩いていたときに強風で倒れた案内板の下敷きになって、脊髄を損傷したのに、たった4か月で車いすに乗りながらステージに復帰しました。仮面女子でいることを絶対あきらめなかった。このときに、私にもできることはないかなと考えたのが、区議選出馬のきっかけ。猪狩は強くて、今はパラスポーツのアンバサダーのようなお仕事で忙しい毎日を送っています。  でも、猪狩みたいに強い人ばかりじゃない。猪狩みたいにいかない人たちのお手伝いができたらと思ったんです。セクシュアル・マイノリティの方たちも応援したかった。私の高校時代からの大親友はゲイで、3年前から一緒に東京レインボープライドに参加しているんです。全国で初めて同性カップルにパートナーシップ証明書の発行を始めた渋谷区なら、新しいことができるかもと考えて昨年の夏ごろに出馬を決めました」  女性や若者の政治参加を呼び掛けていた音喜多氏に共感して、10月の結党当初からあたらしい党へ。すぐさま彼女が始めたのが街頭演説だ。

街頭演説は90日以上。毎日20㎞歩いた選挙戦

「まず区民の方々の声をと直接話をして、渋谷区をよくする方法を考えようと思ったんです。最低でも週20時間以上やると決めて、ほぼ毎日、街頭に立ちました。ファンの方が数えてくれたところによると、昨年10月から投開票日前日までの間に90日は街頭演説をしていたようです」  区議選の選挙期間はわずか1週間。このときだけ街頭に立つ候補者が多いことを考えれば、彼女の演説回数が際立つというもの。さらに、選挙期間中は歩き続けた。 「街宣車には乗らず、ずーっと町中を歩いて、握手してお話ししていました。歩数計をつけていたのですが、毎日3万歩はいってましたね。距離にすると20㎞近くになるようです。こうやって練り歩くことを選挙用語で『桃太郎』と言うんですけど、選挙をよく知る支援者の方たちからは『桃太郎は最終日までとっておくもんだよ』と何度も言われました。『体力が持たない』と。  でも、私は1週間、毎日桃太郎状態。仮面女子で毎日のようにライブをやっていた経験が生きた!と感じた半面、ボランティアの人たちが疲れ果てて申し訳ない気持ちもありました(苦笑)」  演説中に「アイドルに政治が務まるか!?」とヤジが飛ぶこともしばしばあったという。家族は、出馬によって彼女の自宅の住所が公表されてしまったことを心配し続けた。 「でも、当選確定が出て疲れも何もかも吹き飛びました」
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渋谷区議としてやりたいこと
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