更新日:2019年06月11日 16:02
デジタル

今日まで1000円貰える「LINE Pay」と「PayPay」の違いを徹底比較してみた

LINE Payは「送金」に焦点

キャッシュレス

現在、「キャッシュレス決済」が急速に進みつつある。※画像はイメージです

 次に、LINE Payの300億円キャンペーンについて解説する。これは、LINEの友達に対して1000円相当の送金が無料でできるというもの。現金での出金ができないLINE Payボーナスという形ではあるが、送金先にもれなく1000円が与えられるという認識でほぼ間違いないだろう。  注目すべきは、これは送金に対するキャンペーンということだ。キャッシュレス決済サービスのもうひとつの持ち味、それは何と言っても「365日の即時送金」である。盆暮れ正月一切関係ない。  一方で銀行の送金は手数料がかかる上、タイミングによっては即日反映というわけにはいかない。しかしLINE Payなら、いつ何時も送金が可能だ。  極端な話、全ての商取引がキャッシュレス決済になったらどうなるのだろうか。  2003年、国会でこんなやり取りがあった。野党の議員が当時の小泉純一郎総理大臣に対してこんな質問をしたのだ。 「銀行で100円玉をすべて1円玉に両替すると、200円の手数料がかかる。これは正常な手数料と言えるのか」  それに対して小泉氏は、 「それはおかしい」  と、素直に答えてしまった。その瞬間、国会は大爆笑である。だが、現代のテクノロジーでキャッシュレス決済を推し進めれば、当然ながら手数料などという呪縛は消えてなくなる。

夏祭りの屋台でもキャッシュレス決済が可能!?

 さて、PayPayが地方都市の小売店舗にも広がりつつあるということは先述した。  さらに言えば、野外イベントや祭りの出店もキャッシュレス決済サービスに加盟していたりもする。そういう意味で、今年の夏は各地の祭りで「キャッシュレス屋台」を見かける機会が増えるはずだ。事業者側から見れば、PayPayやLINE Payのお陰で「小銭を用意する負担」が削減される。  もしキャッシュレス決済に対応している屋台とそうでない屋台とで純利益に大きな差が出れば、従来型の現金決済に見切りをつける事業者が続出するだろう。  以上の理由から、日本のキャッシュレス決済事業にとっての本当の山場は、今年の7~8月頃である。<文/澤田真一>
ノンフィクション作家、Webライター。1984年10月11日生。東南アジア経済情報、最新テクノロジー、ガジェット関連記事を各メディアで執筆。ブログ『たまには澤田もエンターテイナー
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