スポーツ

ヤクルトスワローズ、過去の名勝負。ファンが願う黄金時代の復活

両軍合わせて12本塁打が飛び出した大空中戦。2007年7月11日 対広島東洋カープ戦(12-10)

 初回の広島の攻撃で飛び出した2本の本塁打でいきなり3点を先制されたヤクルト。だがその裏にすかさず1番・青木宣親の先頭打者弾を含む3本塁打で反撃し、4-3と逆転に成功する。試合はこの後も両軍打線が爆発し、さらに4本塁打が飛び交う大打撃戦となり、9回表を終わって10-7と試合は広島が3点リードのまま9回裏に突入することに。だが、この日の試合展開からしてすんなり終わるはずもなかった。
ラミ流―How to succeed and be positive

画像:ラミ流―How to succeed and be positive(中央公論新社)

 なんと3番・ラミレスの2ランに続き、4番・ガイエルにもソロが飛び出し、ついに10-10の同点となったのだ。そしてそのまま延長戦に突入した11回裏、とうとうこの大乱戦に決着のときが訪れる。広島の7番手・青木勇人からラミレスが2打席連続となる劇的なサヨナラ2ランを放ったのである。1試合で両軍合わせて12本ものホームランが飛び交った大空中戦にふさわしい結末であった。

2イニングで10点差を追いつき、最後は劇的サヨナラ勝ち。2017年7月26日 対中日ドラゴンズ戦(11-10)

 この前夜にも同じ中日相手に延長戦のすえ9-8のサヨナラ勝ちを収めていたヤクルト。この日はその上をいく試合展開となった。なんと5回終了時点で中日に0-10と大量リードを許し、本来ならばもう負けも同然であった。だが、7回裏に代打・中村悠平に2ランが飛び出すと、試合は意外な展開に。続く8回裏だった。まず、主砲のバレンティンの2ランで中日先発の大野雄大をKOすると一死満塁から犠牲フライに3本のタイムリーでついに2点差にまで迫ったのだ。最後は山田哲人が同点となる2点タイムリーを放ち、わずか2イニングで10点のビハインドを跳ね返してしまった。  そして試合は10-10のまま前日に続いて延長戦へ。迎えた10回裏、ヤクルトは代打・大松尚逸が中日の5番手・伊藤準規からライトスタンドへ飛び込むサヨナラ弾を放ち、連夜の劇的勝利を収めたのである。この10点差からの逆転は日本ブロ野球ではタイ記録で史上4度目のことであった。  以上の5試合中、最後の試合が象徴的なのだが、ヤクルトはホーム・神宮球場で何度も大逆転劇を見せている。今シーズンはペナントレース序盤でつまずいてしまったが、“どんなに離されていても強力打線でその逆境を跳ね返す“逆襲のヤクルト”に期待したい。<文/上杉純也>
1
2
テキスト アフェリエイト
新Cxenseレコメンドウィジェット
おすすめ記事
おすすめ記事
Cxense媒体横断誘導枠
余白
Pianoアノニマスアンケート