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山本太郎「消費税を廃止しないとロスジェネ世代が死ぬ!」

過去20年で最大の被害者はロスジェネ世代

 最低賃金の伸び率が停滞し、デフレの出口が見えなくなった“失われた20年”。それを脱するために、国が積極的に投資すべきという考えが山本氏の政策の根底にある。とくに投資対象として氏が注目するのは、かの20年における最大の被害者である「ロスジェネ世代」だ。 「過去の歴代政権は、ロスジェネ世代に、賃金補償や家賃補助などの施策を打って、家庭を持てる環境を整え、第3次ベビーブームを起こすべきでした。それがなされなかったため、少子化が進み、年金制度も立ち行かなくなったんです。ロスジェネ世代は政府の経済政策の失敗で損をさせられたわけですから、政府は賠償政策という意味でも、彼らにこれから投資しなければならない。家族をつくりたいと思う人には、最大限のサポートをするのが、持続可能な国家づくりだと思いますよ」  もちろん、山本氏の目はロスジェネ世代にとどまらず、若者から老人まで全世代を見据える。 「現在の生活保護は、完全に沈没した状態の人でなければ受けられません。これを、沈没前に救えるような、全世代を対象とした生活保障制度に変える必要があります。家賃補助や食費などの生活扶助など、その人が必要としている分野の保護を、切り分けて受けられるようにすべきです」  セーフティネットの下限を引き上げ、その種類も増やすという点で、税と社会保障のあり方を大きく変える提言である。 「今の与党は、大企業にコントロールされ、法人減税など大企業が得をする政策ばかり行っています。割を食っているのは庶民です。逆に言えば、大企業から政治のコントロール権を取り戻せば、庶民は自分たちの生活を底上げできる。まずは庶民がコントロールできるアイコンとして僕らを国会に送り出すことで、政治家が自分たちのために動くことを実感してほしいんです」  従来のパワーゲームに楔を打つ第一歩として、山本氏は今回の参院選を位置づけている。
山本太郎

木村英子氏(54歳・右)は比例代表の「特定枠」での出馬が発表され、同じく障がいのある舩後靖彦氏(61歳)とともに国会のバリアフリー化を目指す

「今回の選挙で政党要件が満たせれば、安倍首相との党首討論や幹事長対談への出席が可能になり、メディアへの露出も増えます。与党攻撃はもちろん、野党が嫌がることも言っていきます。なにしろ野党の中にも、与党に反対するポーズだけの議員がいますからね。僕はそこもしっかり突いていくから、政治に緊張感が生まれて、予定調和ではなくみんなガチンコでケンカするようになりますよ。そういう“永田町イチの嫌われ集団”を目指していきます」  今夏、れいわ新選組が振るう剣先は、政権政党に刺さるか。 【山本太郎】 ’74年、兵庫県出身。高校時よりタレント活動をしていたが、’12年、政治活動を開始。’13年、参議院選挙で東京選挙区で当選。’19年、政治団体「れいわ新選組」を立ち上げ代表に就任、今夏の参院選に10人の候補者を出す <取材・文・撮影/沼澤典史・野中ツトム(清談社)> ※週刊SPA!7月9日発売号「山本太郎、吠える!」特集より
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週刊SPA!7/16・23合併号(7/9発売)

表紙の人/ 小芝風花

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