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今の小学生は「殺し合い系のゲーム」に夢中…親を悩ませるトラブルも発生

新興国では国家が支援!?

 これらのゲームを「たかだか子供の遊び」と考えてはいけない。海外では、FortniteやPUBG Mobileの大会を国家が支援しているということもある。インフラ整備が不十分な新興国ではなおさらだ。  その理由はいくつかあるが、ここではひとつだけ挙げよう。ネットインフラを整備する際、当然ながら電波塔を建てなければならない。しかし、該当地域の住民が必ずしもネットの重要性を認識してくれているとは限らない。「スマホもネットも必要ない」と考えている場合もある。そのような地域に電波塔を建設するとしたら、土地収用の問題が必ず発生する。それ以前に、ある一定以上の通信量がその地域から見込めなければ通信会社も関心を持たない。  だからこそ、地元住民にはネットの重要性に気づいてもらう必要がある。65年前のテレビ局がプロレス中継をキラーコンテンツにしていたのと同様、オンラインゲームはネットインフラ整備を促すのに欠かせないものになったのだ。

親のクレジットカードを…オンラインゆえの注意点も

 意外にあなどれないバトロワ系ゲームだが、子を持つ親はいくつかの点に注意しなければならない。まず、オンラインゲームである以上対戦相手は世界各地にいる人々という点。「当然ではないか」と思われるかもしれないが、中には軽い気持ちでプレイヤーを誹謗中傷してしまう子供もいるそうだ。  子供だから、まだコミュニケーションが上手ではない……という言い訳は通用しない。プレイヤーの年齢問わず、誹謗中傷は許されざる行為。オンラインゲームには音声通話機能も搭載されている。親としては、ネットの向こうにも血の通った人間がいることをきちんと教えるべきだろう。  また、「バトロワ系ゲームは課金によるアドバンテージがない」と先述したが、一方で課金要素がないわけではない。キャラクターの外見を変えるためには課金が必要である場合が多く、それを目当てに子供が親のクレジットカードを拝借してしまうことも。1か月後、何も知らない親が請求書を見て悲鳴を上げるという出来事が本当に起こっている。  ただ、そうは言っても子供に対して一切のゲームを禁止するのは酷だ。「ゲームは1日1時間」という言葉はファミコンの頃から存在するが、あらかじめ子供と話し合ってゲームプレイに関するルールを決めておくのはトラブルを避ける上でも非常に重要である。<取材・文/澤田真一>
ノンフィクション作家、Webライター。1984年10月11日生。東南アジア経済情報、最新テクノロジー、ガジェット関連記事を各メディアで執筆。ブログ『たまには澤田もエンターテイナー
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