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打倒王者オランダ「目標は金メダル」。女子ホッケー代表「さくらジャパン」 及川栞の「強い決意」

<第2回>及川栞(女子ホッケー日本代表「さくらジャパン」)

オランダ移籍、アジア最優秀選手、そして東京

 東京五輪で5大会連続5度目の五輪出場を果たす女子ホッケー日本代表、さくらジャパン。過去4大会は予選を勝ち抜き五輪出場を果たしたものの、’04年アテネ大会の8位が最高とメダル争いとは無縁だった。  しかし、東京五輪に向け海外遠征を増やすなど、強化を進めるなか昨年はアジア大会決勝でインドを破って初優勝。今年7月には世界ランク1位のオランダとリオ五輪金メダルのイギリス(同4位)をホームに迎えて、それぞれ2試合を戦い2勝2敗。世界最強といわれるオランダにはいずれも惜敗(●2-3、●1-3)したものの、イギリスには連勝(〇1-0、〇3-2)するなど、1年後の本番に向けて確実に力を付けていることを印象づけた。  そんなさくらジャパンの注目選手の1人が、昨季まで強豪オランダ1部リーグの新鋭クラブ・オラニェ・ロートで3シーズンプレーし、今夏サッカークラブで知られる「東京ヴェルディ」が新設した女子ホッケーチームに加わったDF及川栞(30歳・岩手めんこいテレビ)である。  昨季はアジア大会優勝に貢献するなどアジア最優秀選手にも選出された及川が帰国したのは、もちろん東京五輪を睨んでのこと。昨今、多くの日本人アスリートが更なる成長を目指して海を渡るケースが多いが、そうした流れに逆行して日本に戻った理由について及川はこう話す。 「正直、オランダでプレーを続けたい気持ちもありました。ただ、自分は新しいことにチャレンジするのが好きだし、東京ヴェルディの女子ホッケーも新しいチャレンジで、自分のやりたいこととマッチした部分がありました。それに、これからの1年は日本代表での合宿も増えますし、オランダにいるとほとんど合宿には参加できない。戦術的な練習も増えるなか、果たして東京五輪の直前に合流して不安なく臨めるのか、自分自身に問いかけました。  監督(ホッケー女子日本代表監督のアンソニー・ファリー氏。リオ五輪でカナダ男子代表を率いたオーストラリア人)とも相談しましたし、私としてもやっぱり最高の状態で東京五輪に臨みたいという思いが強かった。そこで、この3年間は個人の技術を高めてきましたが、残りの1年は代表の活動を優先しようと思ったんです」

リオ五輪代表落選、オランダに渡り無我夢中でボールを追いかけた

 及川は前回のリオ五輪、最終選考でメンバーから漏れ、五輪出場を逃した。オランダへ渡ったのはその直後で、当初は悔しさを押し殺し、ただガムシャラに世界ランク1位の国で自分がどこまでできるかを試したいという思いだったという。東京五輪のこともいったんは忘れて、無我夢中でスティックを握り、ホッケーボールを追いかけた結果、新たな目標ができたとふり返る。 「もともと海外志向が強かったわけではないです。最初は(リオ五輪に行けなかった)ショックもありました。ただ、オランダに行って世界のトップで戦うチームメイトらに刺激を受けて、次の東京こそグラウンドに立ちたいと思うようになりました。  欧州では環境や指導法も日本とは違っていて、学ぶことが多かった。大きい選手は当然、リーチが長く、そういう選手と対峙することは毎週国際試合をするようなもの。DFはあまり目立つ役回りではないですが、それでも相手を苛立たせられたら『よっしゃー』ってうれしくなって(笑)。プレーしているうちにDFとしても自信が持てましたし、やるからには世界一のDFを目指そうと思ったんです」  オランダで普段からプレッシャーや強度の高い試合をこなすことで、アジアに戻ってくると自然とプレーに余裕が生まれた。 「オランダでやっていたせいか、1つひとつのプレーが冷静に判断できるようになったというか、安定したプレーができるようになった感覚はあります。ただ、逆にいえば、それがアジアと欧州の差かもしれないですね」  ホッケーはサッカーより少し小さいコートで、1チーム11人ずつ(GK1人を含む)で行われる。約550gのスティックを操り、野球の硬式球よりも少し大きく、少し硬いボールを使用し、時間は各15分の4クォーター制でゴールの数を競い合う。  見せ場の1つは、ゴール前に描かれた半円の中で守備側がファウルを犯した際に攻撃側に与えられるペナルティコーナー。攻撃側が全員参加できるなか、守備側はGKと4人のフィールドプレーヤーで守らなければならず、フィールドプレーヤーの4人も一時的にマスクやすね当てなどの防具を付けてゴール前を固める。 「ペナルティコーナーはサッカーでいうPKとCKの間のようなもの。守備の時はもちろん体を張りますし、攻撃の時には私もシューターになります。ドラッグフリック(スティックのプッシュ動作で球を浮かせて打つシュート)は私の武器のひとつなので、注目してもらえたらうれしいです」
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数年前まで代表合宿参加は自費
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