更新日:2023年04月19日 20:59
ライフ

「道の駅」がホームレス街化。猫の餌とゴミ溜めが腐臭を放つ…

夏を乗り切るための車上生活者の知恵

 ヨシカワさんも貧困者たちと揉めないように、かなり気を使っていると話す。 「夜間のアイドリングは『うるせえ!』と注意されたことがあるから、暑くてもエアコンはつけません。同じ場所に駐車し続けないなど、無用なトラブルは避けています」  車上生活では通報されぬよう配慮するのが基本とか。猛暑のなか、エアコンを止めた車中で暮らすコツがあるとも。 「日中は、車を頻繁に移動させ日陰に駐車し続け車内温度を上げすぎないようにしているので、夜は薄く開けた窓と扇風機の風で十分です。日中はエアコンの効いた館内で過ごすのですが、あそこの店員はみな客に無関心。定住してしまう理由も少しわかります」

貧者の行進が辿り着く最後の楽園か!?

 フードコートでは自由に水が飲め、無料Wi-Fiも完備。清潔なトイレも利用でき車上生活にはうってつけだ。とくにここ「S」は人の出入りが多いため、多少“異質”な者が交じっていても目立ちにくい。 「さらに食料品売り場で無料提供している保冷用氷を袋に詰めれば、冷蔵庫を自作できます。いつでも冷たいジュースを飲めますよ」  氷入り袋は扇風機に下げれば冷風扇にもなり、肌に当てれば体感温度も下がる。 「風呂もトイレの手洗い場で水を拝借すればカネはかかりませんよ。僕はしませんけどね(苦笑)」  無駄のない生活スタイルは、5年を超す車上生活で培った経験の賜物だ。しかし、心配事もある。 「自由さが魅力も、カネがない人ほど社会と断絶され、堕ちたら這い上がるのは難しいでしょうね」  車さえあれば気軽に始められる車上生活だが、一瞬で崖の下に転落してしまう恐れがあるのだ。 <取材・文/週刊SPA!編集部>
1
2
年収100万円で生きる-格差都市・東京の肉声-

この問題を「自己責任論」で片づけてもいいのか――!?
おすすめ記事