更新日:2023年04月19日 21:03
スポーツ

ビールは大量にあるが食べ物、お茶がない…ラグビー開幕戦日本vsロシア戦顛末記

「命の水」を発見!

 開会式が終わった瞬間、人が一気にコンコースに溢れ出てきてさらなる行列が。トイレ、飲食ブースの列が混在してどこが最後尾かまったくわからない。

人で溢れるコンコースを離れ、外周に出ると……

 ドリンクブースの最後尾を探してウロウロしていると、コンコース外にひっそりとしたブースが。「給水所」と書いてある。なんと飲料水の無料サービスコーナーがあるではないか。周知されていないのか、水なんか飲みたくないのか、人気もなく「飲み放題」。ドリンク難民となった記者にはまさに「命の水」となった。

なんと、水の無料配布所が! 許可を得てガブガブ飲んだのは言うまでもない

驚くほど人がいなかった

 ラグビー観戦につきものだというビール。「ビールを切らすな」という大号令があったかどうか、ビールの売り子はやたら多い。実際、試合中もスタンドを何人もウロウロしていたし、一人で何杯も買い求める外国人もいて、開幕前に心配されていた「ビール難民」は回避されそうだが、お茶やジュース、ソフトドリンクは明らかに不足しているように見えた。

ビールは1銘柄のみ。売り子は缶ビール(700円)をプラスチックのコップに注いでくれる

 試合開始5分前、日本代表が出てくると地鳴りのような歓声が。とにかく観客の「赤白ジャージ」着用率がハンパない。スタンドは満員、こんなに大勢のラグビーファンを見たのは始めてだ。ロシア人もかなりいて、サッカーW杯でさんざん聞いた「ロォーシーア! ロォーシーア!」の大合唱。宇宙飛行士の格好をした一団がスクリーンに映され歓声を浴びる。

アップが終わり肩を組み、ゆっくりと控室に引き上げる日本代表。思わず胸が熱くなる

 テン・カウントから、カウントダウンを大合唱してキックオフ。立ち上がりはピンチが多く、周囲の女性や子どもたちから悲鳴があがったが、後半は持ち味の早いテンポで、トライを重ねロシアに快勝した。

赤白ジャージを着た人々で満員。地鳴りのような歓声

トライを決めると火が吹き上がる

 帰りはコンコースが大行列。4万5000人が一気に出るので仕方ないが、入場時に開けていたサイドのゲートを閉め、正面だけに絞ったものだからなかなか列が動かない。駅に向かう歩道橋も人人人。そんなイライラを解消してくれたのが大会ボランティア。「ハイファーイヴ!」とか「イエーイ!」といって笑顔でタッチを求めてくる。大会初日で大変なこともあったと思うが、いい意味で日本人らしくない「おもてなし」に感心した。

ボランティアの皆さんのハイテンションお見送り。勝利の余韻に酔いしれた

 大会2日目からは日本以外の強豪国同士の戦いが始まる。会場内「持ち込み禁止」、飲食物不足問題は改善してほしいところだが、交通や大会運営に大きなトラブルはなく、ホスト国として順調な滑り出しといったところではないだろうか。 取材・文・撮影/遠藤修哉(本誌)
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