「今までもこういった小規模のM＆Aは行われていて、ほとんどが経営者仲間や税理士からの紹介など、クローズドに情報が飛び交うケースでした。取引先の企業から『〇〇の後継者がいないらしい』と小耳に挟むといったものですね。 　そして、実はオススメなのが『自分で調べて直接会社に問い合わせる』方法です。後継者に悩みながらもネットなどに出てこない中小企業はたくさんある。街中や電話帳で見つけた会社をリスト化して当たれば、まだ手つかずのおいしい会社が見つかるかもしれません」 　とはいえ、そこは10人中9人が失敗すると言われる経営の世界。業績悪化のリスクは常にあるし、買ってからが本当のスタートだ。 「それでもなぜ買いたい人が多いのかといえば、買収後に事業を拡大できる目算があるから。例えば優れた商品を持っていてもネットが弱い個人商店などは、販路を広げれば一気に人気が出ることもありえます。売却案件を見ながら『ここを買ったらこんなビジネスがしたい』と想像するのが、個人M＆Aの醍醐味なんです」（高橋氏） 　この機会に「あなたが社長になる日」を想像してみてほしい。 【トランビ代表取締役・高橋 聡氏】 ’11年に事業承継・M&Aサービス「TRANBI」を開始。近著に『起業するより会社は買いなさい～サラリーマン・中小企業のためのミニM＆Aのススメ～』 【事業承継デザイナー・奥村 聡氏】 司法書士。「社長のおわり」に寄り添うコンサルティング業務で中小企業経営者をサポート。近著に『0円で会社を買って、死ぬまで年収1000万円』（光文社新書） ＜取材・文／週刊SPA！編集部　イラスト／bambeam＞ ※週刊SPA!9/24発売号の特集「会社を買え！」より