更新日:2023年04月20日 12:23
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「毎月10万円プレゼントする」SNS詐欺。騙されるわけないとバカにしたら…

「騙されるわけがない」と馬鹿にしていたが…

 東京都在住の大学生・三好光さん(仮名・20代)はさすがにネットネイティブ世代だけあって「情報商材になんて騙されるわけがない」と自信があった。 絶望 SNS上の「お金あげます」「儲けさせます」などのアカウントが詐欺であることも見抜いていたし、引っかかるのは「情弱だけ」と馬鹿にしてさえいた。しかしなぜか「10万円プレゼント」案件には興味を持ち、結局、投資のつもりで20万円を支払ってしまった。なぜか。 「もともと投資に興味があり、学生の投資サークルで知り合った友人から“本当に儲けた”と説明されました。あまりにおいしすぎるし、ありえないと思っていたのですが、宣伝動画を見て、詐欺だとしたら、こんなに堂々とできるものか、と。三日三晩考えて、10万円を捨てるつもりで商材を購入したところ、翌月本当に10万円が戻ってきた。友人も“本当だっただろう”と喜んでいて、こんないい話があるんだ、やってみなきゃわからないと思いました」  そんな三好さんのところにも、やはり「追加投資をしないか」と案内がよこされた。投資倍額なら、リターンも倍だという、藤村さんの時と全く同じ口説き文句。 「紹介してくれた友人も一緒に倍額投資をする、そう言うので二人で増資を決めました。しかし翌月から入金はストップ。返金を求めてものらりくらりとかわされて、最後は連絡が取れなくなりました」  相手を信じさせるために、初回の入金だけは行ってみせる、これも詐欺界隈ではよくある「テクニック」だが、ネット慣れしている、詐欺には引っかからないと自信満々だった三好さんはあっけなく騙された。 「騙されないと思っていたぶんだけ、最初に入金されたことに驚いて、嬉しくて……。俺を誘った友人も同じで、宝くじに当たったような気分でいたんです。結局、二人して騙されてしまったんです」  童話「北風と太陽」ではないが、詐欺に対して注意深い人を取り込むためには、ただ風を吹かすだけではダメで、それに応じたテクニックがある。詐欺師には全てお見通しだ。三好さんが訴える。 「騙されない、と思っていても騙される。甘い話はない、ということを今一度自分に言い聞かせたいです。20万の勉強代は痛いですが……」<取材・文/山口準>
新聞、週刊誌、実話誌、テレビなどで経験を積んだ記者。社会問題やニュースの裏側などをネットメディアに寄稿する。
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