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40歳でJリーガー&プロ野球選手になった男2人が「夢を実現するまで」

「自分の当たり前」も場所を変えれば貴重に

安彦:正直、体力やスキル面では、若い選手には負けるので、おっさんは違う部分で勝負して、存在感を示す必要がありますよね。 そうすけ:本当にその通りです。 安彦:僕は自分の武器を聞かれたらいつも「人間力」だと答えます。人生経験が長い分、コミュニケーション能力だけはおじさんは負けないんで(笑)。あと、人生経験もあるから、若手たちに練習外のことも教えてあげられますよね。 たとえば、Jリーガーってすぐ保険に入るんです。「十数年後に2倍になります」という保険屋の口車とかに乗って、月に2万~3万円の保険料を払っちゃうんですよ。 そうすけ:うわ、ありがちですね。 安彦:プロといってもJ1の選手以外は月収15万~20万円ぐらいがザラなのに月に2万~3万円も保険に払うのはもったいないじゃないですか。その分、トレーニングとかの自己投資に使ったほうがいいので、阻止したりとか(笑)。 (左から)安彦考真氏、そうすけ氏そうすけ:あと、最近は失敗を妙に怖がる風潮があるけど、失敗は悪いものじゃないですよね。お笑いでもスベったほうが、「なんでダメだったか」を考えるから、あとから伸びたりするんです。 安彦:その通りですよ。挑戦したらした分だけ、成長しますから。 そうすけ:僕もプロ選手として目標だった勝利は挙げられなかったけど、大事な仲間と貴重な体験ができて、日本で一番幸せな40歳だったと自負しています。 安彦:あと、常々思うのが、「自分にとっての当たり前は、他人にとっての目からうろこ」だってこと。「自分は普通の会社員だ」と言う人だって、実は周囲から見たら、羨ましいスキルや役に立つ知識を持っている。思い切って別の世界に飛び込んで、その経験を違う場所で生かしたらいいと思います。 そうすけ:そうそう。自分で持っているもののよさに気がつかず、守りに入り、一人でダメだって落ち込む人って、多い気がします。 安彦:でも、落ち込んで、どん底だって思うときほど、守るべきものがないから、なりふり構わずチャレンジできますよね。僕自身、仕事をゼロにして、家も解約して、何一つ持たない状態だったから頑張れた。逆襲したいなら、まさにどん底のときがベストです! そうすけ:40代でどん底だから終わりだと思うことは何もない。むしろこれまでの経験があるからできることってたくさんありますから。我々みたいにね(笑)。 <取材・文/週刊SPA!編集部>
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