カーライフ

F1で日本人ドライバーを再び見られるのはいつなのか?

レッドブルに相性のいいサーキットはある?

担当A:では、レッドブル・ホンダですが、後半戦もっとイケイケドンドンになるかと思ったら、失速してますね。 米家:シーズン前半戦はライバルとの差が縮まっていたので、あの勢いのまま進歩し続ければ、メルセデスとフェラーリを超えるパッケージになると思ってたけど、レッドブルだけが停滞。ライバルが進歩しちゃったので差が広がった。もちろんホンダパワーユニット(PU)のスペック4が入って進歩はしてるんですが、2強メルセデスAMGとフェラーリのほうが進歩の幅が大きかったし、車体側はライバルのほうがもっと進歩した。レッドブルは今回鈴鹿に持ち込んだアップデートも効果を発揮しなかった。  新しいフロントウイングはうまく性能が出なかったので、ちょっとした改良にとどまったし、新しいリアウイングも持ってきたけど、FP1で走らせたら全然使えないということで捨てちゃった。鈴鹿だからあるものを入れてしまおうとしたんでしょうけど、後半戦に入って2強に比べると十分なアップデートができてるとは言えない。今年はレッドブルらしくないですね。 担当A:それが予選の差に現れた? 米家:フェラーリには0.787秒、メルセデスには0.558秒の大差をつけられてしまった。ショックでしたよね。PUも車体もフェラーリ、メルセデスに負けてる。昨年までのレッドブルなら、ルノーPUのパワーでは負けてるけど、車体では勝っていたので鈴鹿ではいい走りをし、フェルスタッペンは3年連続表彰台を獲得。しかし今年の鈴鹿ではライバルとの差が如実に表れてしまった。 担当A:メキシコ、アメリカ、ブラジル、アブダビの残り4戦。レッドブルに相性のいいサーキットはありますか? 米家:うーん。 担当A:しいて挙げれば? 米家:ないですね(苦笑)。車体でもPUでもライバルに負けているので勝ちようがない。強みがひとつもない状態ですから厳しい。レッドブルは車体もPUも来年が本番、勝負の年だと位置づけて、チャンピオンを獲れるクルマを作ると言っている。今年はもう勝つのは難しいので、残りの4戦は来年に向けた実戦テストをバンバンやって、しっかり準備したほうがいい。 担当A:レッドブル・ホンダに前向きな話題はないですね。
レッドブルホンダ

来年はもっと強くなって鈴鹿に帰ってきます!(田辺豊治 ホンダF1テクニカルディレクター)

米家:トロロッソのコンストラクターズ争いに注目しましょう。現在10チーム中6位。5位ルノーとの差は16点。トロロッソは確実によくなってきてるのし、メキシコでもアメリカでもクルマのアップデートを入れる予定。頑張ってますよ。

【山本尚貴インタビュー】チャンスがあればF1に乗りたい!

レッドブルホンダ――「F1に乗る」という夢がかなったわけですが、次の夢は? 山本:「これで夢がかないました」とひと言で終わらせてしまうと1回乗れればそれでいいのかという話になってしまうので、当然この先の夢がなければ寂しいし、ファンの皆さんもこの先を期待してくださっている。ただ、自分がいくら乗りたいと言っても乗れるものではないですし、今回のFP1もホンダとトロロッソが協力してくれて枠を作ってくれた。  だからこそ次につなげるためにも僕が失敗するとスーパーフォーミュラでチャンピオンを獲っても乗せるわけにはいかないというレッテルを張られてしまう怖さを感じながら臨んでいた。なにをもって成功したかというのは難しいですが、まずは国内はもとより海外メディアからも一定の評価をいただけた。 ――満足いくベストタイム? 山本:90分間でも実質3ランしかできない。そのなかでタイムを出せるのはソフトタイヤの新品をはいた2ラン目の1周しかないので、かなりシビれましたね。終わってみればまだまだ行ききれてない、行かなければいけないところはあったし、全然あれが自分の実力ではない。 レッドブルホンダ 正直、時間がたてばたつほど悔しくて、もっと乗れば、もっとタイムを上げられるという手応えを感じましたし、やっぱり乗ったらチームメイト(クビアト)には負けたくない。いつの日か彼にライバル視される走りをしたい。そのためにも与えられた仕事をしっかりとこなして信頼を勝ち得てこそ次のチャンスが生まれてくると思うので、いい仕事ができたと思います。  今回走らせてもらえたことで、“次”が芽生えた。具体的には言いにくい部分はあるんですが、またチャンスがあればF1に乗りたい。この経験をさらに形にしていかないと、今回得たものは意味をなさない。きちんと形にできるようにこれからも頑張っていきたいですし、頑張りたいと思わせてくれるモチベーションを与えてくれた時間でした。 写真/Honda RedBull
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