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なぜ外国人騎手は大舞台に強いのか? エリザベス女王杯は若きアイルランドの名手に注目

 天皇賞(秋)では現役最強馬・アーモンドアイが圧勝。その背には、いつも通りクリストフ・ルメールがいた。ルメール騎手はこれで今年のJRA・G1は5勝目。まだこれから秋のG1は目白押しで、昨年積み重ねたJRA・G1年間7勝の記録も視野に入ってきた。ちなみに昨年の秋のG1では、秋華賞~朝日杯FSまで、ルメール騎手を含む外国人騎手が10連勝。今年に入ってからも、春のG1はルメール騎手が3勝、不調と言われているデムーロ騎手もなんだかんだで2勝、さらに短期免許で来日したレーン騎手も2勝を挙げる活躍を見せている。
TARO氏

TARO

 ビッグレースになると普段競馬をやらない友人・知人からも、「どの馬を買えば当たる?」と聞かれることがある。それがわかれば苦労しないよと言いたいところだが、正直なところ自分の予想を伝えるよりも「カタカナの騎手を買っておけばいいよ」と答えた方が確率が高いとすら思えてくる。それほどまでに、大舞台での外国人騎手の活躍は凄まじいものがあるのだ。  それにしても、外国人騎手はなぜこれほどまでに大舞台に強いのだろうか?

上手い騎手しか日本に来られない

 結論から言えば、上手いからである。それを言っちゃおしまいかもしれないが、既にJRA所属のデムーロ騎手、ルメール騎手はもともと日本で圧倒的な実績を上げて通年免許を取得した経緯がある。さらに、短期免許、つまり期間限定で騎乗できる外国人騎手は、JRAの規定を満たした各地域の上位騎手に限られている。したがって、たまにその腕に疑問符がつく騎手もいるにはいるが、基本的には上手い人しか日本には来られないのである。  そして、馬を騎手に供給する側である馬主や生産者も大きなレースでは外国人騎手を起用する傾向があることも大きなポイントだ。古くから築き上げてきた人間関係は大事だが、1億円、レースによっては2憶円、3億円といったお金がかかるとなれば、背に腹は代えられない。日本のファンとしては国内の日本人騎手に頑張ってほしい気持ちもあるかもしれないが、勝てる確率の高い騎手に良馬が集まるのは当然の流れだろう。

外国人騎手が日本馬を“覚醒”させる

 もっとも、この流れは悪いことばかりではない。先日、日本馬のメールドグラースとリスグラシューが、オーストラリアのコーフィールドカップ、コックスプレートというビッグレースを連勝する快挙を成し遂げた。この両馬がいわば”覚醒”し、海外のG1を制するまでに至ったのは、ともに短期免許で来日していた外国人騎手の手腕によるものが大きい。メールドグラースはレーン騎手に乗り替わり新潟大賞典と鳴尾記念を連勝し、海外挑戦の礎を築いた。リスグラシューもしばらく勝ち切れない競馬が続いていた昨秋、モレイラ騎手が騎乗しエリザベス女王杯を制覇。今年の宝塚記念ではレーン騎手が騎乗、これまでとは一転、2番手につける積極策で牡馬を一蹴して見せた。馬が騎手を育てるように、騎手が馬を育てる側面もあるのだ。
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注目の外国人騎手はオイシン・マーフィー
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