貧困問題の本丸は「若い非正社員」ではない!

長年、「そういうものだ」と思い込んでいたことが、実はまるっきり違っていたという経験は誰にでもあるだろう。そこで、我々が普段当たり前のように思っていた定説をもう一度、洗い直してみたい

【雇用編】
貧困問題の本丸は「若い非正社員」ではない!


<定説>ネットカフェ難民は数万人いる

<真実>実際の寝泊まりは5000人くらい

 社会運動家の中には「ネットカフェ難民は6万人」という主張も。
「現在、電話帳で確認できるネットカフェは全国に3500店舗ほど。そのうち24時間営業でパック料金を設けている店が約半数の1700~1800店舗と言われ、もし6万人いたとしたら1店舗あたり35人ぐらいネットカフェ難民がいることになってしまう」

 これに関しては、厚生労働省が調査(「住居喪失不安定就労者等の実態に関する調査報告書」平成19年8月)しており、週1~2回「ネットカフェ」をオールナイトで利用する人は全国で6万人。週の半分以上をネットカフェで寝泊まりする人のうち、住居ナシは約5400人と発表されている。

「これには、別の裏付け調査もあって『派遣就労者の実態調査』(’08年厚労省)によると、日雇い派遣労働者に『ネットカフェで寝泊まりするか』に対し、『はい』と答えたのはたった0.4%でした。短期派遣9万人のうち0.4%というと、約400人。一方、『ネットカフェ難民の就労形態』の調査によると、5400人のうち短期・派遣の人は600人程度と、整合性のある数字になっているんです」

 さらに、海老原氏が新橋・渋谷・新宿・蒲田・北千住のネットカフェ5店舗を調べたところ、曜日別着席率は「週の頭は空席が多く、金曜に急増する」「夜12時台に急増する」という結果が出た。
「もし、ネットカフェ難民が利用するのであれば、パック料金が始まる8、9、10時台などに跳ね上がるはずですし、曜日もフラットになる。でも、深夜12時、しかも金曜夜に利用者が増えるというのは、明らかに終電を逃したサラリーマンや学生と思えます」

【海老原嗣生氏】
リクルートエージェント社フェロー。専門は、人材マネジメント、経営マネジメント論など。
新著『学歴の耐えられない軽さ』では、学歴と人気企業のウソを激烈に暴く

― 日本人の[定説]はウソだらけだった!【4】 ―




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