＜第4回＞ 　馬主で占い師のあらいちゅー（@araicuu）です！　占いで購入した愛馬シトリンちゃん（牝2・父サウスヴィグラス・佐藤博紀厩舎）ですが、いよいよ11月22日の川崎競馬2レースでデビューします。 　新馬戦といえば、データが少ないので馬券が買いづらく、今まで正直めんどくさいレースだったのですが、馬主になる前と後とですっかり見る目が変わりました。 　今では「厳しい調教に耐え抜いた仔馬たちがようやくスタートラインに立つ……この感動GI級……無事に全馬ゴールできますように……ラブアンドピース母なる大地にマジ感謝」くらいのテンションで見ています。新馬をデビューさせるのって本当に大変なんですよ！ 　実際、愛馬シトリンちゃんにもデビューまでに、想像もしていなかった様々なトラブルが起きました。 　新馬をセリで買ったあとは、数週間くらいで育成牧場に移動させ、そこで競走馬になるためのトレーニングを施すのが普通です。馬からすると環境が激変するので、熱を出したり足元を痛めたりする子が続出します。まったくトラブルなく育成をクリアして、早期に競馬場やトレセンに移動できるのはごくごく一部なんです。 　まず、シトリンちゃんの場合はソエが出ました。ソエというのは管骨の骨膜炎のこと。簡単に言うと調教の負荷で骨の前面に炎症が起きてしまった状態です。 　ソエとなった場合、調教を休ませたり、薬を投与したり、ソエ焼きという民間療法を施すことで治療するのですが、治りが悪いと骨が瘤のように盛り上がってきます。これがいわゆる骨瘤と呼ばれるもので、こうなると瘤が腱にあたってしまい、このまま走らせると腱まで痛めることになります。シトリンちゃんは運の悪いことに、そこまで病状が進みました。トホホホホ。 　競馬メディアでは「ソエで遅れた」「骨瘤で様子を見た」とかなんとかサラリと書かれていますが、馬主からすると吐きたくなるくらいの大ダメージです。育成牧場の預託料が余計にかかる上に、賞金が高額な2歳戦・3歳戦を戦える期間が短くなってしまうので、けっこう経済的な負担が大きいのです。 　そのほか調教中に怪我をしたり、喉鳴りと言われる疾患が見つかったりと、新馬は次から次へとトラブルに見舞われます…。 　私はいままで2歳馬を一口・共有・一頭持ちで計7頭買っていますが、全馬何らかのトラブルや問題が起きました。うち2頭はデビューできずに抹消しています。シトリンちゃんはソエだけだったので、むしろラッキーな部類と言えるでしょう！ 　ちなみにシトリンちゃん以外の6頭に何があったかですが、 ・グレード4のノド鳴りが発覚して登録前に引退 ・入厩後にトレセン内で骨折して予後不良 ・早期にデビューできたがヘモで満足に調教できず ・強烈な気性難でゲート練習中に暴れて大怪我 ・脚部不安でトレセンから育成牧場に逆戻り ・順調に来ていると思った唯一の馬も新馬戦除外 　と、自分でもびっくりするくらいの散々な結果でした。そんなわけで、新馬は本当につらいのです。馬主は牧場から電話がかかってくるたびにビクビクしながら、デビューまでの長い長い1年を待つしかないのでした…。 　9月、予定より3ヶ月ほど遅れてシトリンちゃんが川崎競馬場へやってきました。厩舎に入ると、まずは能力試験（※）という模擬レースへの参加を目指すことになります。 （※能力試験は地方競馬の制度で、中央競馬にはありません） 　ここでゲート、パドック巡回、模擬レースなどを一通り体験するわけですが、シトリンちゃんの能力試験の日は超のつく大雨でした。模擬レース自体は1着でクリアしましたが、馬自体はびしょ濡れもいいところで、その後風邪をひいてしまいました。トホホホホ。 　本当に新馬はレースが終わるまでまったく油断ができません。体温・歩様・カイバ食いは全然問題ないそうですが、最近の風邪はしつこいので、ひどく体調を崩していないよう祈るばかりです…。