更新日:2023年05月07日 13:51
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『ルパン三世』五ェ門の声優・井上真樹夫さんが死去。今まで演じた名キャラたち

スレッガー・ロウ:『機動戦士ガンダム』の劇場版で演じた、悲哀に満ちた名パイロット

 井上さんの長いキャリアのなかでも、印象的な役柄として挙げられることの多いスレッガー・ロウ。『機動戦士ガンダム』シリーズの登場キャラクターで、井上さんは劇場版2作目にあたる『機動戦士ガンダムII 哀・戦士編』から担当した。
機動戦士ガンダムII

短い登場ながら「悲しいけど、これ、戦争なのよね」という名セリフは有名。(画像は『機動戦士ガンダムII 哀・戦士編』のDVDより)

 主人公であるアムロも乗り込む宇宙戦艦・ホワイトベースの補充要員として、作品の中盤から登場するスレッガー。激戦をくぐり抜けて来たベテランパイロットであり、戦争の悲哀を理解した“大人の男”として、作品に華を添える名脇役だった。  テレビ版では、アーノルド・シュワルツェネッガーの吹き替えでもおなじみの、玄田哲章が演じていたキャラクターを、井上はガラリと雰囲気を変え、逞しいながらもどこかセクシーな、色気のある声で好演した。

大物政治家役など:俳優として、キムタク主演のドラマで熱演

 多くの当たり役ゆえ、声優のイメージが強い井上さんだが、18歳の頃から友人とアングラ劇団を作って活動するなど、俳優業が核にあることを、知らない人も多いのではないだろうか。
 2013年に、TBS系で放送された木村拓哉主演のドラマ『安堂ロイド~A.I. knows LOVE?~』では、大物政治家という役柄で出演。銃で撃たれるというシーンのリハーサルとして、井上が床に倒れていたところ、長い足の誰かが、彼をまたいだいたという。その誰かとは、なんと木村。しかもこれが、名優と大スターの出会いだったというのだから驚きだ。  ――しっとりとした声と、キャラクターに命を宿らせるような演技で、数多くの役柄を務めてきた井上さん。声優と俳優の両方で、彼が残してきた足跡は、これからもファンの間で語られてゆくことだろう。<文/TND幽介(A4studio)>
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