仕事

“使えない中年社員”の特徴は? 人事関係者100人に聞いたリストラ予備軍の実態

リストラ予備軍が生まれる背景は?

 Q②で「リストラ予備軍が生まれる背景は?」を聞いた結果でも、やはり「昔からの業務スキルが通用しなくなった」という意見が最多だった。 「今は産業構造が変わって昔の仕事のしかたが通じなくなり、ベテラン社員にとって武器だったはずの経験が、むしろ足かせになっています。大企業にはそんなバブル入社組が多く、これまで通りの退職勧奨では追いつかず、近年の大規模リストラに繫がっているんです」

Q② あなたの会社で「リストラ予備軍」が生まれる背景は?

(複数回答) 1位 昔からの業務スキルが通用しなくなった 42票 2位 問題社員を放置しがちな社風がある 38 票 3位 給料の高い40~50代が多すぎる 31票 4位 会社の制度・体制が時代に合っていない 30票 5位 会社の事業や体制が変化した 23票 6位 社員のスキルアップの機会がない 20票 7位 ポスト不足で昇進させられない 17票 8位 合併や統廃合など経営に変化があった 13票 9位 外注や自動化など業務効率化が進んだ 11票 10位 IT化やAI導入で事業部がなくなった 10票 対象/人事部署および管理職として勤める男女100人(調査期間:11月18~21日) ===  また、Q①の2位が「就業中に何をしているかわからない」だったように、戦力外社員たちは仕事すら振られず“社内失業”状態に陥る人も多い。特に中小企業だと大規模リストラをするほどの体力もなく、社内失業状態でも放置せざるを得ないのだろう。 「隣の席の50代社員は、操作方法がわからないのか、よくPCの前で固まっている」(43歳・金融) 「朝から退社するまで何をしているかわからず、誰も気にかけようとしていない」(32歳・メーカー)
OVER45リストラ回避術

社内失業状態で放置されている45歳以上の運命は…

 そんな社員が生まれてしまう裏には会社側の問題もある。人事コンサルタントの平康慶浩氏が話す。 「まず、多くの会社ではいまだに年功序列の給与体系で、40代が一番高くなる形に設計されています。そして、大半の会社では給料が下がる仕組みがない。だからパフォーマンスが低くてもほぼ年齢で給料が決まり、若手と比べてどうしても割高感が出ます。  それを変えたい人事は多いのですが、意思決定をするトップが従来のメンバーシップ型雇用を維持したいがために改革を先送りしてしまった。結果、逆にリストラせざるを得なくなっているのは大いなる矛盾です」  ただ、富士通が今年、上場企業で最多の2850人のリストラを行う一方で中途採用数を倍増させたように、人材の入れ替えの波は待ってはくれない。そのなかで「リストラの影」に怯えながらも会社に居続けようとする人はどのような心境なのだろうか。 【FeelWorks代表取締役・前川孝雄氏】 「上司力研修」「50代からの働き方研修」などで400社以上の人材育成を支援している。新著『50歳からの逆転キャリア戦略』(PHPビジネス新書)が発売中 【人事コンサルタント・平康慶浩氏】 セクションアンドバリエーション代表。現在までに150社以上の人事評価制度の改革に携わる。著書に『出世する人は人事評価を気にしない』など 取材・文/週刊SPA!編集部 アンケート協力/エコンテ ※週刊SPA!12月10日発売号の特集「OVER45リストラ回避術」より
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週刊SPA!12/17号(12/10発売)

表紙の人/ のん

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