あれは深夜にワンオペで働いていた時のこと。この店舗は電気街から歩いて10分以内の距離にあり、深夜1時過ぎから5時まで客はほとんど来なかった。そんな時、若い男が汗をかきながら走ってやってきた。 　緊急事態なのか、かなり焦っている様子だ。そして、必要なものをレジに持ってきた。 　果たしてその正体は……コンドームだった。 　またある日のこと。この時は二人でシフトに入っていた。店内に客は5、6人だった。すると、テレビで見たことのある某お笑い芸人が、後輩らしき二人を連れてきたのだ。 　三人は何か挙動がおかしかった。モジモジしており、店員を気にしているのだ。まさか万引きをするつもりではないだろうか。筆者は警戒していた。 　だが、もしも万引きをしたとしても防犯カメラがあるし、すぐに犯人はわかってしまう。もしも明るみに出れば、芸能生活が終わってしまうことは想像にかたくない。筆者がそんなことを考えていると、意を決したように某お笑い芸人が商品をレジに持って来た。 　それはコンドームだった。 　その後、彼らはどこに向かうのか。なんだかいろんなことを想像してしまったのだった……。＜取材・文／浜カツトシ＞