デジタル

老親にすすめたいキャッシュレス決済は「Suicaがベスト」のワケ

1000円から始めるQRコード決済

 ただ、巷のキャッシュレス決済に関する話題は交通系ICカードよりも「○○Pay」が注目を集めている。  QRコード決済サービスの利点は、事業者側が特殊な機器を用意する必要がないということだ。交通系ICカードでの決済には読み取り端末が欠かせないが、QRコード決済であればそれが印刷された紙1枚で済む。消費者がそのQRコードを、スマホのカメラで読み取る仕組みだ。  現に、今まで現金決済のみの対応だった地域密着型のスーパーマーケットが、非接触型決済ではなくPayPayやLINE Payを導入する例が全国で相次いでいる。レジを刷新することなくキャッシュレス決済を取り入れようと考えたら、その選択肢はおのずと絞られる。  スマホは持っているけれどまだ操作が慣れない両親に○○Payをすすめる行為は、決して愚策ではない。むしろ、QRコードの読み取りや価格入力で少しずつスマホ操作に慣れてくれれば一石二鳥とも言える。  ただし、問題はチャージ金額だ。QRコード決済初心者であれば、一度のチャージで5000円ないし1万円というのはいささか荷が重い。そもそも、QRコード決済は数百円程度の買い物にこそ本領を発揮する。その人にとっての「初めての○○Pay利用」であれば、まずは1000円のチャージを筆者はおすすめする。 「とりあえず、残高にある1000円を自力で使い切ってみよう」  子供はスマホの前で首を捻る親に、そう助言するべきだ。 「たったの1000円? そんなんじゃたいしてポイントもらえないよ」  とは、決して言ってはいけない。QRコード決済の本格的な利用は、「たったの1000円」をしっかり使い切ったあとでも決して遅くはない。

ポイントのことは忘れよう!

 キャッシュレス・消費者還元事業は、今までキャッシュレスとは無縁だった人々にも「一度利用してみようかな」という意識を持たせている。そういう意味では、この事業は大成功を収めているのかもしれない。が、だからといって還元ポイントを意識し過ぎるのも問題だ。  ポイントを追い求めるがあまり、ついつい衝動買いをしてしまったというのはよくある話。キャッシュレス初心者であれば尚更で、自分は賢く買い物をしているつもりでも結果として無駄遣いをしていたり……ということもあり得る。 suica 従って、ここでは一度ポイントのことは忘れてしまおう。それよりも、「Suicaって、本当に便利でしょ? 小銭をゴチャゴチャ取り出すこともないし、バスにも電車にも乗れるし、失くしても再発行できるし」といった感じの会話を、親と交わしていくのがベスト。ここではあくまでも「キャッシュレス決済の便利さ」だけを話題に出し、ポイントのことは敢えて話さない。それはオマケ程度に考えれば十分である。  無理せず、焦らず、マイペースに。これが「キャッシュレス化」を目指す人たちへの、筆者からのアドバイスである。<文/澤田真一>
ノンフィクション作家、Webライター。1984年10月11日生。東南アジア経済情報、最新テクノロジー、ガジェット関連記事を各メディアで執筆。ブログ『たまには澤田もエンターテイナー
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