「正社員」兼「会社役員」兼「フリーランス」の34歳…どんな働き方をしている?
「働き方改革」に伴い、政府も副業を後押しする昨今。スキマ時間に手軽にできるものから、まとまった元手や時間を要するものまで、その内容は多種多様だが、果たしてその明暗を分かつものは何なのか?
昨年は大手企業での副業解禁のニュースも目立ったが、そもそも本業が忙しく体力や時間的な余裕がないことから、副業に興味があっても一歩を踏み出せない人たちも多いだろう。果たして複数の仕事を掛け持ちしながら稼ぎ続けている人はどう動いているのか?
パラレルワーカーの谷口裕紀さん(34歳)は現在、フルタイムの社員として会社勤めをする一方、自身が経営する会社での業務、フリーランスとして受注する業務を並行しておこなう。
広告代理店に2008年に就職した谷口さんは、入社5年目でシェアハウス運営会社に転職。そこで法人営業やマーケティング業務に携わりながら、個人でウェブ制作やライティングの仕事を請け負うようになり、2018年4月には自分でもシェアハウス運営会社を起業した。
現在、3社目の会社でフルタイム社員として、自社サービスの会員向けサイトやウェブ広告の制作・メンテナンス業務を担当する一方、自身で経営する会社の仕事やフリーランスでの仕事も続けている。
「フリーランスの仕事だけでも食べていけるんですが、副業OKの今の会社に転職しました。個人事業主として売り上げがあると経費を使えるので、普通に会社員として働くより税金が安くなるし、保険料や年金は会社が払ってくれるのでオイシイです」と明かす谷口さんだが、前職のシェアハウス運営会社の同僚と2人で立ち上げた自身の会社では、シェアハウスの総合プロデュース、客付けなどを行っているという。
「固定資産税などで困っているオーナーさんから空き物件などを借り上げ、シェアハウスとして有効活用しています。一緒に会社を立ち上げた相棒と互いの前職での経験や得意なことを活かしていて、私は主に役所との細かい書面のやりとりなどバックオフィスを担当しています」
リフォームや家具・家電を揃える初期費用を一旦負担する代わり、オーナーへの借り上げ家賃を割安にしてもらうため、光熱費などを差し引いても1年少々で減価償却できるとのこと。
「初期投資分を一旦回収したあとはオーナーさんとの家賃は交渉するつもりです。敷金・礼金、仲介手数料や保証人が不要で、英語対応もできる点が差別化ポイントで、留学生など外国籍の人に喜ばれています。シェアハウスのLINEグループのやりとりはすべて英語で、客付けも英語での掲載が可能な『東京シェアハウス』というポータルを利用しています。空きが出ると1日で問い合わせが来て埋まるような状況で、今はまだ3棟19部屋ですが、4棟目も近々決まる予定です」
正社員とフリーランスのいいとこ取り
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1988年生まれ道東出身、大学でミニコミ誌や商業誌のライターに。SPA! やサイゾー、キャリコネニュース、マイナビニュース、東洋経済オンラインなどでも執筆中。いろんな識者のお話をうかがったり、イベントにお邪魔したりするのが好き。毎月1日どこかで誰かと何かしら映画を観て飲む集会を開催。X(旧Twitter):@tsuitachiii
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