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「正社員」兼「会社役員」兼「フリーランス」の34歳…どんな働き方をしている?

外注で自分の労働時間を調整し、時給を上げる

 また、谷口さんは前職のシェアハウス運営会社で物件紹介の記事や、駅や沿線などエリア紹介の記事を書き始めたことを機に、今も継続的にライティングの仕事をしている。 「だいたい取材とライティングで1~2日くらいかけて、1本で1万5000円前後なので稼ぎとしてイマイチかもしれませんが、交通費とご飯代をもらえて知らない街に遊びに行けるので楽しいです(笑)。新卒で入った広告代理店で営業だった頃から企業のメルマガなど書いていましたが、学生時代に毎日ブログを更新していたことがあって、ライティングの下地ができていたと思います」  年間で300本程度の記事を納品しているそうだが、そのうち約半数の記事は構成や撮影のみを行い、ライティングは「ランサーズ」などクラウドソーシングでほかのライターに発注するという。 「『ランサーズ』だと1文字1円に満たない記事も普通にありますが、直で発注をもらえると1文字5~10円と単価が高いので、『ランサーズ』の相場的には割高な値段で発注できます。当然、自分の利幅は薄くなりますが、なるべくいいライターさんを囲って固定で回せば、1記事あたりの自分の作業は1時間ないくらいだったりするので時給の観点で見れば悪くありません」  同様にウェブ制作の仕事でもディレクションなど品質管理に自分の担当を絞ることで作業時間を減らし、権利収入に近いポジションにシフトしているそうだ。 「前の会社に在職していた頃、半年ほどスクールに通って主にWordPressやIllustrator、Photoshop、CSSのコーディングも少し習いました。基本、僕は既存のWordPressのテーマを引っ張ってきてカスタマイズするだけで、システムを組む場合は『ランサーズ』や『クラウドワークス』でSEさんを探したり、Facebookで話を振ったりしています。個人事業主さんと出会う機会も多いので、『工数少なくてもいいから早めに納品してほしい』『予算を抑えたい』という知り合いからの依頼が多いですね」  そうして多くの仕事を並行して行いながらも「週1~2日程度の休みは確保している」という谷口さん。時間に制約の多い会社員が副業を考える場合には、作業時間の予測を立てやすい業務になるべく集中し、積極的に他人の手を借りる割り切りのよさが不可欠なようだ。 <取材・文/伊藤綾 取材協力/副業アカデミー>
1988年生まれ道東出身、大学でミニコミ誌や商業誌のライターに。SPA! やサイゾー、キャリコネニュース、マイナビニュース、東洋経済オンラインなどでも執筆中。いろんな識者のお話をうかがったり、イベントにお邪魔したりするのが好き。毎月1日どこかで誰かと何かしら映画を観て飲む集会を開催。X(旧Twitter):@tsuitachiii
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