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<純烈物語>NHKホールからスーパー銭湯へ直行! 午前2時半の凱旋ライブで光る48歳<第29回>

紅白から日付変わって、元旦の午前2時半、凄まじいテンションを見せつけた”AI”小田井涼平(48歳)

<第29回>NHKから移動し30分後にはステージへ。深夜の凱旋ライブでも頑張る48歳

 国民的テレビ番組に生出演し、そのステージを務めあげる――言うまでもなく、紅白歌合戦に出演する歌い手、アーティストの任務である。だが、酒井一圭にはこれに匹敵……いや、来たる2020年を踏まえればそれ以上と位置づけてもいい重要なミッションを背負っていた。  紅白における純烈の楽屋は前年と同じで、NHK本社社屋8階一番端の会議室。何しろおびただしい出演者数のため、ホールの部屋だけではまかなえない。  そこは長い長い廊下の向こうにあり、大晦日とあって途中の部屋の電気は消えている。6月のNHKホール単独公演では、個室トイレつきのメイン楽屋を味わったものの、陸の孤島のようにポツンと離れていた方が落ち着けた。  そんな会議室の扉をコンコンと叩く音がするたびに、酒井は身構える。紅白では「楽屋御見舞」としていくつもの差し入れが届く。各出演者のマネジャーが持ってくる、いわばエールの交換のようなものだ。  純烈の場合、4人いるから複数のものであれば分けて持ち帰るが、1個しかないものはじゃんけんで決めるなどして盛り上がるのが楽しい。ただ、これだけは自分が確保しなければというものが酒井にはあった。 「ジャニーズ事務所さんからもいただいたんですけど、それが嵐さんからの楽屋御見舞で。これを確実にゲットして奥さんに渡すのが最大のミッションなんです。まかり間違ってほかの者の手に渡り、年が明けて家へ戻った時になかったら『あんた、何しに紅白へ出たの?』となる。それほどウチの奥さんは嵐好きで。  だから、嵐さんの熨斗紙がついたそれを渡せば、その年一年は何があっても円滑に僕のことをサポートしてくれる。つまり、純烈の力になってもらえるということなんです」  酒井いわく美紀夫人は純烈にはあまり興味がなく、嵐関連の動向によって家庭内の空気が豹変するほどだという。たとえばコンサートのチケットが取れなかったりしようものなら、その不機嫌電波は旦那に向けられる。  その一方、そうした反応を日常の中でぶつけられることによって、純子と烈男がチケットを押さえるにあたりどんな思いをしているか疑似体験できる。そしてそれをMCのネタにも持っていく。 「今こそこうなっているけど、奥さんは純烈が世に出る前からすべてを知っているんですよ。まだ形になっていない時点で僕が頭の中にある構想を喋って、それを聞いてもらっていたから。仕事の現場には興味ないし見ていないけど、考えていることはわかっている。  もちろんそれに対し意見を言うことなんてなくて、完全な聞き役です。ほとんどが右から左に抜けていっているんだろうけど、その時のリアクションが純烈をやる上でのヒントになっている。『それ、いいんじゃない』と思われたことはやらずに『へぇー』ぐらいのことを純烈ではやる。なぜなら、奥さんが反応しないことがウチの客層で、反応することはジャニーズだから」  ジャニーズとは違うところを突き詰める上で、美紀夫人の嵐推しが重要な判断材料となっているのだ。そんな家庭内事情を知ってか、酒井がその楽屋見舞に伸ばした手を止める者はおらず。暗黙の満場一致により無事、リーダーはお宝をゲットしたのであった。  あらゆるミッションを終え、他の出演者とともに新年を迎えたあと純烈はお台場へと向かった。昨年に続き“凱旋ライブ”をおこなうためだ。
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NHKホールから東京大江戸温泉物語へ
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