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<純烈物語>最後の大江戸温泉ライブに来られなかった最前列のファンへ思いを届けて<第117回>

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<第117回>最後の純烈大江戸温泉ライブに来られなかったファンの思いはそこに在り、そして届いていた

<今日はお台場大江戸温泉物語で純烈さんがラストLIVE!! どうしても見たくてお願いしてプライベートで見に行かせて頂きました 現場に着いて楽屋にご挨拶に行ったらリーダーから驚きの一言。。。『ナオキ、オープニングで歌ってよ!面白いじゃん』って>  9月2日更新のオフィシャルブログにて、演歌歌手の真田ナオキは巻き込まれた経緯をこう綴っている。昨年、第62回日本レコード大賞最優秀新人賞を受賞した気鋭の演歌歌手とはいえ、そんなことを急に振られたら「本当に腰抜けるかもって位緊張した!」のも無理はない。  4日前の8月29日、真田は1年7ヵ月ぶりに同じステージで有観客ライブをおこない、またみんなの前で歌えてよかったと涙したばかりだった。おそらくその時点で、自分にとっての大江戸温泉物語にはピリオドを打ったと思われるが、想定外のボーナストラックが待ち受けていた。  新人賞受賞曲である『恵比寿』のイントロが流れ、何食わぬ顔をしてステージに立つ真田は、身長と腹と声のトーン以外は何も違和感がなかった。2019年6月12日のNHKホールで、最上川司とともに一日限りの純烈新メンバーとなり『プロポーズ』を歌いながらラウンドで客席を練り歩くや、純子さんたちに熱烈歓迎されているだけに堂に入ったものだった。
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酒井の代わりにサプライズで登場した真田ナオキ(右端)

 このような“出オチ”をはさみ、純烈最後の東京お台場 大江戸温泉物語ライブはスタート。改めて出囃子が流れ、1曲目『君がそばにいるから』で幕を開けた。  最初のMCでは閉館後、施設が更地にされることに触れ、酒井一圭が「この垂れ幕(ステージ上の「純烈」と書かれたバックドロップ)はどうなるの?」と投げかけたところから進んでいく。

閉館後の備品を執拗にねだる純烈メンバー

「これ、もらって帰ろう。またこういうところが純烈の貧乏くさいところやねん。白川(裕二郎)さん、なんて言ったと思います? 中村座(会場)の畳、あれどうするんですか?って」 「OKって言われたら畳を持って帰ろうかと。だってもったいないでしょ」  目がマジな白川を見て、小田井涼平も「俺もあの五十三次みたいな絵(館内の壁に描かれた江戸時代の浮世絵)、欲しいわ」と続き、酒井一圭が「俺は楽屋のテレビ欲しい」、そして後上翔太も「あと楽屋にあるドライヤーがいいやつですよ」と、それぞれの物色力を披露。「純烈が通ったあとは草一本生えない」という都市伝説は本当だった。  もちろんこれはトーク用のネタなのだが、純烈のすごいところは最後のステージを終え、大江戸温泉物語のスタッフが楽屋へ挨拶に訪れた時もまだその話を引っ張り交渉したところ。そこにオーディエンスがいようといまいと、同じノリなのだ。  対する大江戸側も心得ているので、酒井から「このドライヤーはどうなるんですか?」と振られると「持っていってください」と返し「じゃあ空気清浄機は?」「檜風呂は?」「業務用のクーラーは?」とエスケレートし、笑いに昇華。こういう呼吸でいいモノを作り上げてきたんだなと、見ていて思った。
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初の大江戸温泉ライブで10万円を散財
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