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<純烈物語>“2019年紅白出場”の吉報が、コンサート中に届いた瞬間、酒井一圭は…<第26回>

<第26回>ラウンドで客席にいる中、届いた吉報 2度目の出場も「今年は参考にならない」

「第70回NHK紅白歌合戦」の出場歌手が発表された2019年11月14日、純烈は宮崎県にいた。午前11時を少しすぎた頃、クラウンレコードのアーティスト担当・新宮崇志が泣きながら楽屋に入ってきて「紅白出場、決まりました!」と告げた瞬間、マネジャーの山本浩光をはじめとするおっさんスタッフが大号泣しながらメンバーと抱き合った。  分刻みのスケジュールを調整し、メンバーたちと行動もともにしてきながら山本はこの一年、風邪ひとつひかなかった。高校時代に野球で鍛えた頑丈な体が、マネジャー業で役に立つとは本人も思わなかっただろう。  みんなが沸き返る中で、リーダーの酒井は意外なほどに落ち着いていた。涙を流すでもなく、喜びよりもただただ「ホッとした」のだという。 「あの謝罪会見がキックオフとなって闘いが始まり、みんなのおかげでこういう結果を迎えることができた。感覚としては、列をなす選手たち一人ひとりと握手をして迎える監督のようでしたね」  よく巷では「事務所には内々に事前連絡がいって、情報解禁まで伏せられているんだろう」という見方をされるが、それはないとのこと。NHKよりまずはレコード会社に所属アーティストの出場が電話で伝えられ、そこから本人たちに報告がいく。  その後、初出場組の会見がおこなわれたあと、NHKのホームページにアップされたタイミングで情報解禁となる。だからこの日のコンサートは、ステージに上がりながら、それが出るまで内緒にする必要があった。  本当は決まっているのに、酒井は「今日、選ばれるかなー」などとMCで言った。「大丈夫だよ!」「絶対出られるよ!」という温かいリアクション。オーディエンスも、発表が気になってスマホを見ながら参加していた(主催者側が許可)。  そして『野良犬』を歌いながら客席をラウンドしている最中、一人のファンが「出た!」と叫んでスマホを掲げた。歌の途中なのに、酒井は「何っ!? おい、それを貸してみろ!」とスマホを受け取り「紅白決まりました! やりましたーっ!!」と絶叫。2階席までギッシリと埋まったメディキット県民文化センター演劇ホールがその一瞬、巨大な生命体へと化けたかのようになった。
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